本編の空気を思い出してたら、急に別角度から刺される感じで、気持ちが一気に持っていかれた。
「昼のゆめ another side」、短いのに感情の密度が高すぎる。
哲平と大和の距離が縮まっていく過程が、静かなのにずっと胸の奥を叩いてくる。
恋の始まりって、派手じゃなくても、こんなに温度があるんだって思わされた第1話。
スピンオフなのに主役級の存在感
本編のW主演は羽山麻水(駒木根葵汰さん)と白崎由岐(新原泰佑さん)だけど、今回のスピンオフは完全に哲平と大和の物語。
哲平(佐久間はじめ/宇佐卓真さん)の不器用で真面目な感じが、画面越しでも伝わってきて苦しくなる。
大和(山瀬一真/南雲奨馬さん)の軽やかさも、ただ明るいだけじゃなくて、ちゃんと奥行きがある。
20分弱なのに、二人の人生の一部分をそっと覗いた気分になるのがすごい。
再会から募っていく哲平の気持ち
サラリーマンとして働く哲平が、配達員として現れた大和と再会するところから、空気が少しずつ変わっていく。
好きって気持ちがはっきりしていくほど、しんどくなっていく哲平の表情がリアル。
旅行に誘われても行けなかった理由が、臆病さだけじゃないのが伝わってくる。
宇佐卓真さんの演技が、感情を大きく出さない分、余計に刺さる。
旅行先で一気に近づく距離
結局、哲平が旅行先に向かう流れが、もうそれだけで胸がいっぱい。
現れた哲平に「哲平!」って声を上げる大和の反応が自然すぎる。
涼二(羽山麻水/駒木根葵汰さん)と拓海(白崎由岐/新原泰佑さん)がさらっと迎える感じも、この世界のやさしさ。
本編カップルが“安心できる存在”としてそこにいるのが、スピンオフならではの良さだった。
告白シーンの言葉選びがずるい
二人きりの部屋での会話は、声のトーンも間も全部が大事。
「拓海くんのこと好きなんじゃ?」って聞いたときの哲平の不安が切実。
「そんなの、とっくに終わってるよ」って返す大和の言い方が、軽いのに誠実。
「お前のことが好きだ」と哲平が言う瞬間、時間がゆっくり流れた気がした。
大和が胸を押さえて「ここ痛くてさ」って言うの、感情の表現として強すぎる。
キスまでの流れが丁寧すぎる
手を重ねる仕草、目線の合わせ方、全部が段階を踏んでる。
「好きだ。好き」って繰り返す大和に、哲平が返す言葉も不器用で愛しい。
冗談にされたくない気持ちが、そのまま台詞になってるのが刺さる。
キスの瞬間がゴールじゃなくて、ちゃんと通過点に感じられるのが、この作品らしい。
まとめ
「昼のゆめ another side」は、スピンオフという言葉が軽く感じる完成度だった。
哲平(宇佐卓真さん)と大和(南雲奨馬さん)の物語が、本編とは違う温度で心に残る。
短い時間にBLの大事な要素を詰め込みながら、雑にならないのが本当にすごい。
この二人の日常、もう少しだけ続きが見たいって思わされる余韻が残った。
(ほのりん)

