第10話は、十条雀(風間俊介さん)が心の中で揺れながらも、同期の黒木(平子祐希さん)に救われる回だった。慶司(庄司浩平さん)との関係に自信が持てなくなって、空元気で日常を乗り切ろうとする雀。その姿に気づいた黒木の行動が、まっすぐで不器用なのに温かくて、見ているこちらまで胸がじんわりしてしまった。
空元気で過ごす雀
慶司(庄司浩平さん)との間に生まれた距離感。休日に出かける約束もすれ違ってしまい、雀(風間俊介さん)は「平気だ」と自分に言い聞かせながら仕事に没頭する。昼休み、公園のベンチでドリンクを飲む姿は、背中に漂う孤独感が隠せない。周囲には普通に見えても、心の奥で不安を抱えている感じが痛いほど伝わってくる。そんな雀の弱さを、黒木はすぐに見抜いていた。
黒木の優しい気づかい
「ちゃんと食わねぇと年末乗り切れねぇぞ」と言ってパンを差し出す黒木(平子祐希さん)。何気ない一言に、雀(風間俊介さん)を思いやる気持ちがにじんでいた。冗談を交えながら「バーベキューやろうぜ」と誘う流れも自然で、押しつけがましくなく、だけど絶対に雀を一人にしない強さがある。娘の世話を理由にしているけれど、本当は「お前の元気を取り戻したい」って気持ちが透けて見えて、ぐっときた。
同期だからこその強引さ
「大阪、先帰ったよな。俺に、借り、あるよな」って言って肩を抱く黒木。ちょっと強引なのに、そのやり方がむしろ同期らしくて温かい。雀が仕方なく「わかったよ」と返すのも、心のどこかで救われている証拠。遠慮なく踏み込める関係って、時間をかけて築かれた信頼があるからこそだと思う。黒木が去り際にパンの袋を渡していくシーンは、言葉よりも重い優しさで胸を打った。
「ありがとな、黒木」の一言
パンを抱えた雀(風間俊介さん)が駆け寄って「ありがとな、黒木」と伝えるシーン。短い言葉なのに、心に詰まっていた感情が解けていくような瞬間だった。黒木の背中に届いたその声は、友情の確かさを証明するように響いた。同期コンビだからこその距離感と、誰にも言えない弱さを支え合える関係性に胸が熱くなる。
まとめ
第10話は、慶司とのすれ違いで迷う雀に、黒木が寄り添う姿が光った回だった。強引さと優しさが入り混じった黒木の行動は、ただの友達以上に大切な存在を感じさせる。SNSでも「黒木さんが良すぎる」と盛り上がったのも納得。大人になっても支えてくれる仲間の存在がどれほど尊いか、改めて実感させてくれる物語だった。
(ほのりん)