第5話は、国有地をめぐる贈収賄事件から始まったのに、気づけば胸をえぐられるような真相に行き着いた回だった。不破俊太郎（上川隆也さん）の冷静さが、今回はいつも以上に鋭く感じた。友情も家族愛も全部のみ込む、あの結末の重さがすごかった。
廃病院で見つかった2つの白骨
不破と惣領（吉谷彩子さん）が足を踏み入れた廃病院。そこで見つかったのは男女2人の白骨死体。一人は金森小春（祷キララさん）、もう一人は田久保仁和（菅原けんさん）。小春は食堂「一膳」の元従業員で、安田啓輔（少路勇介さん）や高峰（竹財輝之助さん）と仲が良かった人物。そして田久保は、小春につきまとっていた大学生だった。現場の空気はひどく冷たくて、見てるこっちまで息を詰めた。
利害を超えた二人の友情
安田と高峰、共犯の可能性がある2人を同席させる異例の聴取。不破はその関係性を一瞬で見抜く。ライバルでありながらも友人だった2人は、小春への想いを共有していた。ある日、小春が姿を消し、2人が探し回った末に見つけたのは、田久保の遺体と腹部を刺され瀕死の小春。その小春の「妹を守って」という願いを叶えるため、2人は遺体を廃病院に埋め、国有地払い下げ問題の裏で、必死にその場所を守ろうとしていた。
妹のためについた嘘
高峰たちの証言で全て終わったかと思いきや、不破と惣領が突きつけたのは、田久保を刺した凶器に金森実花（谷村美月さん）の指紋があったという事実。小春を襲う田久保を実花が殺し、小春はその事実を隠すために全てを背負った。守られた側と守った側、その立場が胸に突き刺さる。ここで一気に空気が重くなった。
情はないのか？
真相を暴いた不破に、高峰は「情っていうものはないのか!?」と怒鳴り、殴りつける。でも不破は無表情のまま「気は済んだか？」と返す。このやり取り、感情むき出しの高峰と、能面のままの不破との対比がすごくて、心臓がギュッと締め付けられた。竹財さんの感情の爆発と、上川さんの静かな返しのコントラストが鮮烈。
まとめ
第5話は、友情や家族のための嘘と、それを許さない真実のぶつかり合いがとにかく濃かった。守りたい気持ちと法の冷酷さ、その両方が痛いほど伝わってきた。不破の冷静さが、今回は優しさを拒む壁のようにも見えて、余計に印象的だった。
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