第8話は、止まっていた時計の針が動き出すような回だった。狗飼錐(平祐奈さん)が声と記憶で“カッパ男”の正体に迫る瞬間、そして第1話の「親子連れ」が実は犯人の初登場だったとつながる伏線回収。見てるこっちの記憶まで掘り起こされる感じで、タイムラインの「1話に戻りたい!」って声に完全同意した。
錐(平祐奈さん)の復帰はまだ遠く、それでも歩き続ける
刺傷事件から一命を取り留めた錐(平祐奈さん)は、まだ復職できないまま休養を続けている。でもただ休んでいたわけじゃない。桔梗(原ふき子さん)、雅人(福山翔大さん)に支えられながら、9年分の児童失踪案件を独りで読み込み続ける姿が描かれた。相貌失認という欠落を抱えつつも、自分の武器で戦おうとする意志が強烈に伝わってきて、見てるだけで胸が締めつけられた。
解体された〈みかん部屋〉と理不尽な別れ
未解決事案総合対策管理室、通称〈みかん部屋〉が解体される通達に呆然とする面々。室長の牛尾(梶原善さん)も打つ手なしで、豹頭(八村倫太郎さん)は交通課、小鳥遊(新川優愛さん)は総務課へ。それぞれバラバラに飛ばされるチームに、視聴者の中にも「胸が苦しい」「理不尽すぎる」と嘆く声が多かった。谷中児童殺人事件を抱えたまま分断される空気は、錐と猿渡(丸山隆平さん)の無念と重なり、余韻が重く残った。
動物図鑑がつなぐ記憶の断片
錐(平祐奈さん)が資料からたどり着いたのは、一冊の動物図鑑。それは猿渡(丸山隆平さん)が過去にすれ違った親子連れが持っていたもの。男の子・江守聖也が抱えていた図鑑が、のちに彼の死へつながるなんて、鳥肌が立った。錐の“顔じゃなく声や歩幅を記憶する”特性が、ただの弱点じゃなく、事件を動かす鍵になるのが震えるほどカッコよかった。
1話の断片が“犯人の影”へ書き換わる
冒頭の何気ないワンカットだった「親子連れ」が、実は“カッパ男”の初登場だったと判明。編集も巧みで、ノイズ混じりの音や揺れる視界が記憶の曖昧さを表しつつ、観ている自分たちの記憶も呼び起こす。普通の風景が一転して“犯人の影”に変わる瞬間、ドラマと自分の頭の中がリンクしていく感じがたまらなかった。SNSでも「声で追う推理が痺れる」って感想が飛び交ったのも頷ける。
猿渡(丸山隆平さん)と雅人(福山翔大さん)の悔恨
猿渡(丸山隆平さん)が「錐を守れなかった」と抱える自責や、雅人(福山翔大さん)のやり場のない思いも丁寧に描かれてた。約束を守れなかった悔しさや、仲間を信じたいのにバラバラにされる現実。アクションや推理だけじゃなく、キャラの心情にぐっと迫る描写が多くて「胸が締めつけられた」と共感の声が多かったのも納得。サスペンスなのにヒューマンドラマとしての深さもあるのが、この作品の魅力だと改めて感じた。
まとめ
第8話は、錐(平祐奈さん)が欠落を武器に変える核心を見せ、1話の伏線を回収する震える展開だった。和やかさの裏に理不尽なチーム解体や悔恨が交差して、感情の揺さぶりが止まらなかった。次の“カッパ男”との遭遇が決着になると予告されたような回で、クライマックスへの期待が一気に高まった。もう一度1話から見返したくなる、余韻たっぷりのエピソードだった。
(ゆめのん)