第9話で幕を閉じた「しあわせな結婚」。最後の最後、ネルラ(松たか子さん)の寝言がすべてをさらっていった。幸太郎(阿部サダヲさん)と再び結ばれ、抱き合って確かめ合った夫婦の姿。その直後に放たれたイタリア語の一言が、視聴者の心に深い余韻を残した。
再び繋がるふたり
ネルラ(松たか子さん)は、布施(玉置玲央さん)の死にまつわる真実や、自身が抱える罪悪感に押しつぶされそうになりながらも、幸太郎(阿部サダヲさん)の言葉で救われた。「ナヨナヨしたネルラはネルラじゃない」「君は股関節の女だろ!」。一見突拍子もないフレーズに込められたのは、彼女の強さを信じる思いだった。ネルラが「幸太郎さんが粘り強くてよかった」と微笑んだ瞬間、2人の物語は再び動き出した。
再プロポーズの力強さ
「もう一回結婚しよう。離婚したくなったらまた離婚すればいい。また追いかけて結婚するから」――幸太郎(阿部サダヲさん)のプロポーズは、不器用で泥臭いけれど圧倒的に誠実だった。ネルラが抱える闇ごと愛して、一緒に背負おうとする姿勢に、視聴者から「こんなプロポーズ初めて見た」「泣けた」という声があがるのも納得。彼が彼女を選び続ける強さこそ、この物語の核心だった。
イタリア語の寝言
幸太郎と眠るベッドの中で、ネルラがふと口にした「Quando moriremo, saremo insieme(死ぬときは一緒)」。その一言が、二人の関係の行方を示唆するようで、不安と愛情が入り混じる余韻を残した。松たか子さんが演じるネルラだからこそのミステリアスさと情熱が、最後の寝言に凝縮されていた。
幸太郎のモノローグ
「今夜も妻は、果てしなく不思議だ」。阿部サダヲさんの声で紡がれるこのモノローグが、夫婦の物語を柔らかく締めくくった。結婚生活において、互いを理解し尽くせない部分があっても、それを“しあわせ”として受け入れる。その関係性が美しく、タイトルの意味が最後に重みを持った瞬間だった。
まとめ
最終話は、サスペンスの緊張感と夫婦の愛情が見事に溶け合い、忘れられないラストとなった。ネルラのイタリア語の寝言と幸太郎のモノローグが描く未来は、決して平凡ではないけれど、二人だけの“しあわせな結婚”そのものだった。最後まで不思議で愛おしいネルラと、粘り強く寄り添う幸太郎。その組み合わせに心が震えた。
(ちーず姫)