『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第35回、不穏すぎる春町の新作にざわめき(感想)(ネタバレがあります)

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蔦重(横浜流星)が「書をもって抗う」と突き進む第35回。
歌麿(染谷将太)の祝いで華やいだ空気も、春町(岡山天音)の新作が映し出された瞬間に一気にざわめきへ。
からかいじゃなく“いさめ”を込めた草稿は、軽妙さよりも危うさが勝っていた。
最後の凧の糸が切れる描写、あまりに意味深で心臓がざわついた。

黄表紙に隠された皮肉と誤解

松平定信(井上祐貴)の倹約政策を皮肉る黄表紙と狂歌絵本は売れに売れた。
でも皮肉が伝わらず、当の定信本人は「励まされた」と勘違いしていたのが痛快。
蔦重の狙いと真逆の解釈に、笑いながらも背筋が冷える。
権力者に揶揄が届かないという構図が、逆に江戸の世の不条理を浮かび上がらせてた。

すねる春町(岡山天音)の小さな心情

作戦会議でも畳のへりをいじって、拗ねた空気を出していた春町。
自分の作品が一番売れていないとすねる姿は「こじらせかわいい」って声が出るくらい愛嬌があった。
でもその裏にある自尊心の繊細さが、次に繋がる不安を生んでいた気がする。
当主から褒められて一気に機嫌を直す単純さも、逆に危うさの伏線に見えてしまった。

春町が描いた“間違凧”の物語

定信の「鸚鵡言」を逆手に取り、「凧をあげれば国が治まる」という勘違いをネタにした春町。
九官鳥の言葉を真に受け、人々が凧をあげたら鳳凰まで勘違いして天下泰平になる──そんな物語を仕上げた。
喜三二(尾美としのり)や政演(古川雄太)は爆笑し、蔦重も乗り気。
だけど春町の言葉には本気の哲学が混ざってた。
「思いどおりに動かなくても、別の力が働くかもしれない」と。
遊び心に見えて、危うい刃を含んだ作品だった。

てい(橋本愛)の懸念と不穏なラスト

「からかいよりも不遜になるのでは」と警鐘を鳴らしたてい。
春町は「ふざけてない」と断言するけど、ていの直感は鋭い。
その懸念を視覚化するように、完成した本が並ぶ場面で凧の糸がぷつり。
祝祭から不安へ、一瞬で転調する映像に戦慄した。
橋本愛さんの冷ややかな視線が、次の展開の影を先取りしていた。

まとめ

第35回は、笑いと皮肉で世を映すはずの戯作が、一転して危険な火種に見える回だった。
春町の新作はユーモアと哲学を兼ねていたけれど、その真剣さがかえってリスクに。
凧の糸が切れる映像は、彼自身の未来を暗示しているかのようだった。
華やかな宴から一気に不安を残す締め方、物語の緊張感がさらに増した。
SNSでも「春町先生どうなっちゃうの」と心配が広がっていて、視聴者のざわめきそのものが伏線のように響いていた。
(ゆめのん)

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