第1回の朝ドラ『ばけばけ』、始まった瞬間から不思議な空気に包まれてて、一気に引き込まれた。松野トキ(高石あかりさん)が背負う“世をうらむ空気”と、彼女の未来を思わせる光みたいな視線が、交互に胸を叩いてくる。なのに横で蛇と蛙がボケとツッコミを繰り返すから、心が忙しすぎた。阿佐ヶ谷姉妹、声だけでも存在感が強烈すぎる。
松野トキ(高石あかりさん)の幼少期、世をうらみながらも光を探す
小学生のトキ(福地美晴さん)が描かれる冒頭は、重たいのに、光の粒がちらちら差し込むみたいな雰囲気。父・司之介(岡部たかしさん)、母・フミ(池脇千鶴さん)、祖父・勘右衛門(小日向文世さん)と過ごす日々は、貧しくて苦しい。けど、福地美晴さんの瞳に宿る小さな希望が、見ている側まで“まだ生きられる”と信じさせる。特に、司之介が「いい暮らしをさせたい」と決意するシーン、声の揺れが心臓に響いた。背景の夕陽が赤く滲む瞬間、トキの未来への伏線に見えてしまった。
外国人の夫・ヘブン(トミー・バストウさん)、異国から来た不思議な安らぎ
大人になった松野トキ(高石あかりさん)が出会うのが、外国人の夫・ヘブン(トミー・バストウさん)。初回から二人の間に漂う温度差がむしろ魅力的で、言葉を超えた共鳴が伝わる。怪談好きという共通点、ただの趣味じゃなくて心をつなぐ“秘密の糸”みたいに描かれてる。トミー・バストウさんの柔らかい所作、異国の人なのにどこか懐かしい感じがして、画面を見ながら安心した。視線を交わすだけで、すでに夫婦の物語が始まっているのがわかる。
蛇と蛙=阿佐ヶ谷姉妹の衝撃的な存在感
庭に住む蛇と蛙。まさかの“語り”担当が阿佐ヶ谷姉妹。朝ドラでいきなりお笑いコンビの掛け合いを聞かされるなんて、新鮮すぎる。しかも声だけなのに、動きまで見えるような軽妙さ。「蛇と蛙かわいい」「朝から癒し」って感想がネットで飛び交うの、完全に同意。真面目なシーンの後に、二人の声が入ると空気がふっとほどけて、安心できる。笑わせながら物語を俯瞰してくれるから、緊張が解けるタイミングが絶妙。阿佐ヶ谷姉妹、存在感がエグいのに優しい。
家族の重さとユーモアの共演が独特すぎる
没落士族の家族の重苦しさと、蛇と蛙の軽快さ。この二つが同じ物語に同居しているのが不思議なのに、違和感じゃなくリズムになってる。岡部たかしさんや池脇千鶴さんの演技が重厚だからこそ、その重みを受け止めながら、阿佐ヶ谷姉妹の声が“救い”になってる。小日向文世さんの存在感も効いていて、三世代の空気感がリアル。だからこそ、蛇と蛙がふっと笑わせる瞬間に、涙と笑いが交互に押し寄せる。朝から感情をこんなに振られるなんて予想外。
まとめ
第1回から“重さ”と“笑い”のバランスがクセになる朝ドラ『ばけばけ』。松野トキ(高石あかりさん)の未来への一歩、ヘブン(トミー・バストウさん)の優しい眼差し、そして蛇と蛙(阿佐ヶ谷姉妹)の予想外の破壊力。見終わったあと、心が妙に軽くて、でも余韻が残る。朝からこんなに心を揺さぶられるって、これからの展開も期待しかない。
(さくらん)
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