『ばけばけ』第14話、実の親子の再会シーンが温かくも切ない──「長生きするんですよ」に涙(感想)(ネタバレがあります)

本ページはプロモーションが含まれています

第14話は、朝から静かに泣かされた回だった。
松野トキ(高石あかりさん)が実の父・雨清水傳(堤真一さん)と母・タエ(北川景子さん)と過ごす時間。
それは、たった一日だけ“家族”として過ごしたような、儚くも尊い時間だった。
明るい光の中で描かれるほど、言葉にできない切なさが沁みてくる。

粥を口に運ぶトキ(高石あかりさん)の優しさ

傳(堤真一さん)の看病を始めて3週間。
回復の兆しが見えない中、トキは根気強く看病を続けている。
お粥を口に運ぶトキに、「赤子のようで照れくさい」と笑う傳。
その笑顔に、父であるという実感と、娘を名乗れない苦しさが同時に滲む。
高石あかりさんの柔らかな所作、傳を見るまなざしがまっすぐで、何も知らない無垢さが胸を打つ。
「幸せな時間」が一瞬で終わってしまいそうな儚さを感じた。

しじみ汁づくり──母と娘の“台所の記憶”

怪我をしたトキの代わりに、タエ(北川景子さん)が初めてしじみ汁を作る。
料理が苦手なタエに、トキが優しく教えるその姿。
母娘とは知らずに向かい合う二人が、
自然と笑い合う瞬間が何度もあって、見ているだけで涙腺がゆるむ。
トキの声のトーン、タエのぎこちない手つき、
そのすべてが“愛おしいすれ違い”として描かれていた。
北川景子さんの演じるタエの表情が、柔らかくもどこか震えていて、
「もう一度だけ母親として接したい」という想いが伝わってくる。

「親子として振る舞える日が来ることを」──傳の願い

トキが帰ったあと、傳とタエが語り合う静かな場面。
「危ないところじゃった」「父親としての情が出そうになった」と呟く傳。
それに続くタエの「二度と母親の顔は見せまいと誓ったのに」という告白。
二人が同じ痛みを抱えて生きていることがわかる。
「親子として振る舞える日がいつか来ることを、わしは願っておる」と傳が言い、
タエが「長生きするんですよ」と答える。
その言葉に込められた祈りのような優しさが、たまらなかった。
そして次の瞬間、傳が激しく咳き込む──その音が、まるで予兆のように響く。

SNSでは「温かいのに切ない」「傳が危ない」の声

放送後、SNSでは大きな反響が広がった。
「表情から親としての愛が溢れてる」「心温まるのに切ない」
「トキの無邪気さが余計に泣ける」「傳とタエの本音が胸を刺す」
そして「フラグ立ってる気がする」「傳が退場しそうで怖い」と不安の声も多数。
あの“長生きするんですよ”のセリフが、
朝ドラ名物の“優しすぎる死亡フラグ”に聞こえてしまうという意見も。
それでも視聴者は皆、この静かな親子の時間を大切に見届けている。

まとめ

第14話は、“血のつながりよりも心のつながり”を感じさせる回だった。
高石あかりさんの無垢な演技、堤真一さんと北川景子さんの抑えた芝居。
三人の間に流れる“言葉にならない愛”が、画面から伝わってくる。
「親子として振る舞える日」は来るのか、それとも叶わぬ夢なのか。
次回、傳の体調がどうなるのかも気がかりでならない。
朝から涙腺が崩壊する、圧巻の親子回だった。
(ちーず姫)