『ちょっとだけエスパー』、タイトル詐欺なくらい“ちょっと”じゃない(感想)(ネタバレがあります)

本ページはプロモーションが含まれています

第1話、静かに始まったのに途中から急に現実味がズシッとくる。
文太(大泉洋さん)の「ちょっとだけ」って言葉、完全に油断ワードだった。
笑える場面もあるのに、気づいたら心がざわついてる。
人の本音が聞こえるって、便利どころか地獄じゃん。
軽いテンションで見てた自分を殴りたいレベル。

転落からの“採用”がすでに怪しい

仕事も家族も失ってどん底の文太(大泉洋さん)のもとに届いた「ノナマーレ」からの面接案内。
この時点でちょっとホラーの匂い。
面接で出された課題が「カプセルを飲む」って何?
普通の会社なら即帰る案件。
でも文太は飲み込む。
その瞬間、「合格」って言われる流れ、シュールで怖いのに笑える。
社長の兆(岡田将生さん)の爽やかすぎる笑顔が逆に不穏。
「あなたは今日からエスパーです」って、人生がRPGみたいに始まった瞬間だった。

“仮初の夫婦”という名の違和感だらけの暮らし

社宅で待っていたのは、妻役の四季(宮崎あおいさん)。
彼女の空気、静かなのに底が見えない。
兆(岡田将生さん)いわく、文太と“仮初の夫婦”として過ごすらしいけど、四季はなぜか本当の夫だと思い込んでる。
この設定、めっちゃ不安を煽る。
食卓での会話も普通っぽいのに、どこか会話のテンポがズレてて寒気がする。
「あなた、今日も遅かったね」って言葉が、妙にリハーサルめいて聞こえた。
宮崎あおいさんの穏やかな声が、逆に怖い。

エスパー能力が“ちょっと”どころじゃない件

翌朝、アプリでミッションを受ける文太。
最初は「駅前のポスターを撮影しろ」とか「近所の猫をなでろ」とか意味不明。
でも、手で触れた瞬間に相手の心の声が聞こえることに気づいてから、空気が一変。
「俺以外みんな楽しそう」「もう限界だな」とか、誰もが心に持つ暗い声が一気に流れ込んでくる。
嬉しそうに触ってた文太の表情が、だんだん曇っていくのがリアル。
“人の本音を聞ける”って、想像以上に残酷。
視聴者のコメント欄にも「普通に怖い」「これ病むやつ」って共感の嵐。

キャスト陣の存在感が圧倒的

桜介(ディーン・フジオカさん)の登場シーンは、一気に画面の温度が変わる。
何を考えてるかわからない笑顔が、エスパー仲間という言葉を信じられなくさせる。
円寂(高畑淳子さん)は、現実と異世界の境界をぼやかす存在。
半蔵(宇野祥平さん)の不器用な優しさが、この世界の唯一の救いっぽくて切ない。
市松(北村匠海さん)の大学生らしい無邪気さも、裏がありそうで落ち着かない。
全員が何かを隠してて、視線の動きだけで物語が進む。
まさに野木亜紀子さん脚本らしい“静かな狂気”が全方位に散ってた。

“心の声”が聞こえる世界は、幸せの真逆

第1話を見終わって、笑いよりも疲労感が残った。
文太(大泉洋さん)が感じた「他人のしんどさ」が、見てる側にも伝染する。
このドラマ、エスパーを描いてるようで、実は“現代人の孤独”そのもの。
「みんな楽しそうに見えるけど、実際は…」ってセリフが一番刺さった。
能力ってより呪い。
けど、その痛みがリアルで目をそらせない。

まとめ

第1話は、“ちょっとだけ”どころかガチでエスパーすぎた。
笑いもあるのに、気づいたら心の奥を掘られてる。
大泉洋さんの演技がコメディと哀しみの間を完璧に行き来してて、危ういバランス。
宮崎あおいさんの四季は柔らかいのに何かを閉じ込めてる感じで、目が離せなかった。
この作品、超能力よりも“人間の内側”の描き方が恐ろしく正確。
見終わった後、しばらく自分の心の声がうるさく感じた。
(こころん)

「ちょっとだけエスパー」の関連グッズを楽天ブックスで探す
「ちょっとだけエスパー」の関連グッズをAmazonで探す