第4話、三谷幸喜ワールドが一気に熱を帯びた。
舞台は渋谷、1984年。
シェイクスピアの『夏の夜の夢』を上演しようと奔走する久部(菅田将暉さん)たち。
その中で、リカ(二階堂ふみさん)のダンスと芝居が交錯する瞬間が、まるで“舞台と現実の境界”を照らしていた。
笑えて、切なくて、最後にはなぜか胸が熱くなる――まさに“三谷節”全開の回だった。
久部(三成)×リカ、稽古場でぶつかる情熱と温度差
久部(三成/菅田将暉さん)は、相変わらずの暴走演出家ぶり。
リカ(二階堂ふみさん)が演じるのは、ヘレナ――報われない恋に生きる女。
「私はあなたのスパニエル」という有名なセリフを、久部は何度もやり直させる。
「感情を絞り出して」「違う」「もっと!」と執拗に。
ぞうきんを絞りながら言え、という発想がまさに三谷幸喜。
その異常な熱意に、笑いながらもゾッとした。
そして、やっと“理想の言い方”が出た瞬間、久部はリカを抱きしめる――けれど、リカの表情は曇ったまま。
そのあとに吐き捨てる「何がスパニエルよ…」の一言。
この1シーンに、舞台という名の暴力と愛がすべて詰まってた。
オーナー・ジェシー(シルビア・グラブ)登場、そして“スリラー”革命
夜のWS劇場に残って練習していたリカ。
そこに現れたのが、オーナーのジェシー(シルビア・グラブさん)。
彼女が放った言葉、「芝居ってね、最後は役者のものなのよ」。
この台詞があまりにも重かった。
久部の“演出至上主義”と真逆の考え方。
そして唐突に始まる「スリラー」提案。
「シェイクスピアですから」と戸惑うリカに、「古くさいことばっかりやってたらダメよ」。
ここでリカの目に火がつく。
まさかの“マイケル・ジャクソン×シェイクスピア”融合。
この発想、三谷幸喜以外にはできない。
完璧な「スリラー」、笑いと熱狂と涙が同居するステージ
リカとジェシーが向き合い、あの伝説の“スリラー”を完璧に踊るシーン。
1980年代の渋谷の照明、ステージの埃、ジェシーの足さばき。
すべてが美しくて、どこか切ない。
「いいじゃない」と笑うジェシーの言葉が、母のように優しかった。
しかも、唐突に挟まる「俳優座第13期生。石立鉄男と同期。加藤剛もね」って小ネタ!
観てる全員が「そこ!?」ってツッコんだ瞬間、笑いと涙が同時にこぼれた。
この温度差の使い方が本当にうまい。
リカの“声”、舞台の始まり
「大きな声を出すこと。声が小さいと心も縮こまるでしょ」
ジェシーの言葉を受けて、リカは初めて“役者の声”を手に入れる。
ストリップダンサーから舞台俳優へ。
踊りのリズムが言葉に変わる瞬間。
この変化を演じた二階堂ふみさん、さすがだった。
芝居の中でリカ自身が覚醒していくように見えて、まるでドキュメンタリーのよう。
彼女の「スリラー」は、ただの余興じゃなく、“表現の再定義”になっていた。
SNSでは「スリラーと石立鉄男」が同時トレンド入り
放送後、「#ふみ様スリラー」「#石立鉄男」が同時トレンド入りするという異常事態。
「ふみ様のスリラー最高」「あんな完璧な踊り見せられたら惚れる」「石立鉄男と同期で腹筋崩壊」「三谷さん、ほんと自由すぎる」と爆笑と絶賛が入り混じった。
真面目な芝居と小ネタのギャップで、まるで心が“スリラー状態”。
二階堂ふみさんの身体表現のキレ、そしてシルビア・グラブさんの包容力――この2人の化学反応がすごすぎた。
まとめ
第4話は、「演じること」と「生きること」の境界を軽やかに越えた回だった。
久部(菅田将暉さん)の情熱が暴走し、リカ(二階堂ふみさん)が反発しながらも、自分の“声”を掴む。
そして、ジェシーの「芝居は役者のもの」という信念。
シェイクスピア×スリラー×昭和渋谷――混沌なのに完璧。
笑いながら、気づいたら泣いていた。
第5話の“初日”が怖いくらい楽しみ。
舞台の幕は、もう上がっている。
(ゆめのん)
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