『終幕のロンド ―もう二度と、会えないあなたに―』第3話、父としての信念と優しさが胸に刺さる(感想)(ネタバレがあります)

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第3話は、父・樹(草なぎ剛さん)の“正論の裏にある優しさ”が静かに心を打つ回だった。
理不尽な世界の中で、それでも「正しいことを信じていたい」と願う親の姿。
その言葉が、子を想う痛みと希望の両方を帯びていて、深く残る。

「正論」を教える父の葛藤

いじめにあっても、「自分がされて嫌なことは人にしない」と信じ続けた陸。
父・樹はそんな息子を誇らしく思いながらも、結果的に孤立してしまう現実に直面する。
真琴(中村ゆりさん)は、「正論では世の中は回らない」と指摘し、
「子どもを丸腰で理不尽の中に放り込むようなもの」と感情をあらわにする。

けれど樹の答えは、静かで、揺るぎなかった。
「正論と世界の矛盾を誰かが背負うとしたら、私はその誰かのひとりになりたい」
「矛盾や理不尽に流されない力は、それと向き合うことでしか身につかない」

彼の言葉は、ただの理屈ではなく、“信念の形”だった。
正しさを信じることが、どれだけ痛みを伴うかを知っているからこそ語れる言葉。
草なぎさんの抑えた声のトーンと表情の奥に、父としての覚悟がにじむ。

真琴の胸に届いた“優しさの矛盾”

夫や姑から冷遇されながらも気丈にふるまう真琴。
彼女は「正しいことを信じたい」と思いながらも、現実に傷つき続けている。
そんな彼女に、樹の言葉は救いであり、挑戦でもあった。

「矛盾や理不尽に流されない力」――その一言を繰り返す真琴の表情には、
自分の人生を見つめ直すような戸惑いが浮かんでいた。
彼女が涙をこらえた瞬間、樹の信念が“他人の心を動かす力”になったことが分かる。

こはるの秘密と、静かに近づく“終幕”

こはる(風吹ジュンさん)が余命を隠して生前整理を依頼していたことを知り、
樹は真琴に真実を打ち明ける決意をする。
「誰かのために隠す優しさ」と「正直に話す勇気」、
このドラマはいつもその“間”を描いている。

一方で、真琴の夫・利人(要潤さん)の不倫相手が
絵本の担当編集者・静音(国仲涼子さん)だと判明。
愛と嘘、信頼と裏切り、家族の境界線が一気に揺らぎ始める。
ラストの静かな沈黙が、次回の波乱を予感させた。

まとめ

第3話は、「理不尽な世界でも正しさを信じたい」という父親の信念が貫かれた回だった。
草なぎ剛さんの柔らかくも芯のある演技が、樹という人物を“理屈ではなく、心で生きる人”にしていた。
真琴との関係も少しずつ変化し、孤独と希望が入り混じる展開に。

SNSでも「深い言葉」「あたたかくて強い」「理不尽に負けたくない」と共感の声が多数。
現代を生きる私たちにも響く、優しさと矛盾の物語だった。
(ゆめのん)

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