第2話、想像以上に“ちょっとだけ”じゃ済まなかった。
文太(大泉洋さん)のエスパーっぷりがドタバタで面白いのに、最後の展開で一気に心を持っていかれた。
野木亜紀子さんの脚本、やっぱり一言で“容赦ない”。
笑いながら泣けるってこういうことなんだと思った。
このドラマ、気づいたら感情のど真ん中を撃ち抜いてくる。
文太(大泉洋さん)の“ちょっとだけ”が世界を動かす
「ノナマーレ」に入社して、人生どん底からの再スタートを切った文太(大泉洋さん)。
飲まされたカプセルで“触ってる間だけ心が読める”エスパーになるって設定、すでにカオス。
でも、彼が本気で誰かを救おうとする瞬間、バカバカしさが一気に尊く変わる。
兆(岡田将生さん)の「世界はツリーのようなもの」って説明も、野木さんらしい不思議な説得力。
枝分かれする運命を、ちょっとだけ変えるために全力で走る文太。
その不器用な優しさに、じんわり泣きたくなった。
チームの能力が“ちょっと”すぎて逆に愛しい
円寂(高畑敦子さん)の“レンチン能力”、200wしか出ないの笑った。
でも、温めるのが“お茶”じゃなく“膀胱”って発想、天才的にくだらなくて最高。
文太(大泉洋さん)が真顔で「腎臓のろ過が~」とか言ってるのも地味にツボ。
しかも、間違えて自分の膀胱を温められるって、どんなコント。
半蔵(宇野祥平さん)の“アニマルお願い系”もじわる。
鳩に頼んでフロントガラスにフンを落とさせるとか、発想が小学生男子。
でもその小さな一手が、ちゃんと世界の一部を変えてる。
バカっぽいのに、根っこは真面目。そこがたまらない。
四季(宮崎あおいさん)の“ノリ”が救いの癒し
文太の同居人・四季(宮崎あおいさん)が登場するたび、空気が柔らかくなる。
クリーニング店の車をサッと出してくれるし、文太の“変なミッション”にもノリノリで付き合う。
何も知らない彼女の笑顔が、現実のややこしさを一瞬だけ溶かしてくれる。
「この人、きっと文太の救いになる」って思わせる温度があった。
彼女の“無自覚な優しさ”が、このドラマの一番静かな魔法。
千田(小久保寿人さん)の“黒いたまご”が残したもの
ミッション「千田守が目的地につくことを阻止する」。
何が起こるのかと思ったら、まさかの“贋作を売る画家”。
文太(大泉洋さん)に「やりたいことをやってください」と言われた時の千田の目。
あの一瞬、光が戻ったみたいで泣けた。
「黒いたまごを描きたい」という夢、すごく純粋で痛い。
だからこそ、ラストの展開があまりにも残酷だった。
“画家として一生を終える”という結果の裏に、“命の終わり”が待ってるなんて。
希望と悲しみが一文で交差する、野木脚本の怖さを思い知らされた。
野木亜紀子節、炸裂の衝撃エンディング
トラックの音が鳴った瞬間、時間が止まった。
「一生を終えるって、そういう意味?」ってSNSの声、わかりすぎる。
物語の構造はファンタジーなのに、心情描写は超リアル。
“世界を救う”ミッションのはずが、誰か1人の命を奪う。
このバランスが野木さんらしいし、だからこそ切ない。
ラストの静寂が、いちばん響いた音だった。
まとめ
第2話は、コメディの皮をかぶった哲学ドラマだった。
文太(大泉洋さん)の不器用な優しさ、四季(宮崎あおいさん)の柔らかさ、
そして兆(岡田将生さん)の意味深な笑み。
全部が“世界を変える枝”のどこかに繋がってる気がした。
野木亜紀子さんの脚本、やっぱり感情の重力がすごい。
「ちょっとだけエスパー」どころか、かなり心を読まれた気がする。
(ゆめのん)

