第3話、静かな夜に落とされたキスひとつで、空気が一瞬で変わった。
大崎真央(神尾楓珠さん)と羽沢由宇(葵わかなさん)――終わったはずの恋が、まだどこかで息をしている。
“すべての恋が終わるとしても”というタイトルの意味が、ようやく少しだけ見えてきた気がした。
3年ぶりの再会、止まったままの心が動き出す
由宇(葵わかなさん)はようやく前に進もうとしていた。
3年前の別れを乗り越え、真央(神尾楓珠さん)と同じ職場で働きながら、仕事仲間としての関係を築こうとしていた。
それでも――笑顔の奥に、かすかな痛みが見える。
遠距離恋愛中に使っていた“おそろいの手帳”を、まだ真央が持っていたなんて。
「その手帳、まだ持ってたんだ…」という由宇の声に、驚きと、少しの期待と、ほんの少しの苦しさが混ざっていた。
「わざわざ捨てる理由がないから」――真央の曖昧な優しさ
真央の言葉はいつも少し不器用で、残酷だ。
「わざわざ捨てる理由がないから」
その何気ない一言が、由宇の心を掻き乱す。
彼にとってはただの“過去の思い出”でも、由宇にとっては“まだ終われない証拠”なのかもしれない。
そして、次の瞬間。
夜風の中で、真央が顔を近づけて、突然キスをした。
理由のないキス、感情のない優しさ
あのキスは、恋の再燃じゃなかった。
衝動でも、愛情でもない。
むしろ、“まだ終われていない自分”への確認のようだった。
真央の「忘れられない」という言葉の裏には、きっと“今も由宇を好き”という気持ちではなく、“自分があの頃のまま”という痛みがあったのだと思う。
でも、由宇にとっては違う。
終わった恋に、もう一度触れられた瞬間、胸の奥がぐしゃぐしゃになる。
SNSで「真央ずるい」「振ったくせにキスはルール違反!」と荒れたのも当然。
このキスは優しさの形をした暴力だった。
すべての恋が“終われない”という現実
由宇は3年かけて前を向こうとしていた。
仕事にも自分にも向き合い、ようやく“過去の恋”を整理できそうだったのに、真央のキスがそれを台無しにした。
「なんで?」という由宇の問いが、全てを物語っていた。
その一言の裏には、「なんで今さら?」「なんでまた揺らすの?」という感情が詰まっていた。
このドラマのテーマは、“終わる恋の美しさ”だけじゃない。
“終われない恋の苦しさ”も、ちゃんと描いている。
そしてその両方を見せてくれるのが、真央と由宇なのだ。
まとめ
第3話は、“終わった恋に触れてしまったとき”の痛みがリアルすぎる回だった。
真央(神尾楓珠さん)のキスは、ロマンチックでもドラマチックでもない。
ただ、弱くて、ズルくて、人間らしかった。
由宇(葵わかなさん)の「この流れでのキスは雑に扱われたと思うの仕方ないよ」という視聴者の声がまさに正解。
それでも、2人がまだ惹かれ合ってしまうのは、恋が“終わるもの”ではなく、“続いてしまうもの”だからだろう。
タイトルの“すべての恋が終わるとしても”は、もしかしたら“それでも愛してしまう”という意味なのかもしれない。
次回、由宇がどんな選択をするのか――心が痛いのに、目が離せない。
(あやぴょん)
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