修学旅行で仲良くないグループに入りました 第3話 感想文(ネタバレがあります)― “たった一つのベッド”で近づく、二人だけの距離

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不慣れな自由行動で訪れた遊園地が転機に

修学旅行の2日目。高2の主人公・日置朝陽は、イケメン5人組“グループ”に紛れ込みながらも、内心では「どうして自分がこんな輪に…」と戸惑っていました。
自由行動で遊園地を訪れた日置は、母親とはぐれた男の子に頼まれ「だっこ」でインフォメーションまで運ぶハプニングに遭遇します。そこへ、心配して駆けつけた渡会紬嵩が静かに声をかける――「日置が無事ならなんでもいい」。
その瞬間、日置の中で「渡会って何者なんだろう」という疑問が静かに芽生えます。

見えてきた「守る側/守られる側」の逆転

遊園地では、お化け屋敷の入り口で渡会が「怖かったら手繋いでもいいけど?」と真顔で提案。メリーゴーランドでは「俺は日置がいいの」とスマホを向けてくる。クラスメイトや女子グループの視線を横目に、二人だけ時間が少しだけ別方向へ進み始める感覚が、ドキドキと共に描かれていました。
日置としては、「なぜ自分なんだ?」という気持ちと、「渡会がここまでしてくれるのは…」という好奇心が交錯し、自分の殻が少しずつひび割れていくようでした。

宿泊ホテルでの“ベッド1台シェア”が決定的な瞬間

宿泊先のホテルで、グループ5人用の部屋にベッドが4台しかないという手違いが発生。守崎の提案で、日置と渡会が1台のベッドをシェアすることに。
このシーンは、距離が物理的に近づくことで二人の関係の“線”が明確になったように感じました。机上の“グループ”という枠を飛び越えて、「隣」「一緒」「選ばれた?」という視界に日置が入っていく流れが、ゆるやかに、しかし確実に動いていました。

良かったこと

日置の内面の変化が丁寧に描かれている

これまで「場違い感」「居場所のなさ」を抱えていた日置が、渡会の優しさや距離の近さに心を揺らし、自分の価値を少しずつ見つめ直す過程が丁寧です。
“イケメングループ”という場に放り込まれた彼が、ただ巻き込まれるだけでなく「なぜ自分なんだろう」という思いに気付き始めたことが、物語に深みを与えていました。

渡会のキャラクターが鮮明になってきた

これまではクールで遠い存在だった渡会が、「日置の無事を第一に考える」「隣に居たい」と自分の意思をチラつかせるシーンが増え、魅力的になってきました。ベッドを一緒にする動きもそうですが、“守りたい”“近づきたい”という気持ちの方向性が、言葉だけでなく場面で示されていたのが良かったです。

気になった・もう少し欲しかった部分

グループのその他メンバーの存在感が薄れつつある

“守崎”“仲里”“堀田”らグループの他のメンバーは引き続き登場しますが、今回は主に渡会と日置にフォーカスが移っており、グループ全体としての動機や関係性の掘り下げが少なめでした。グループ感が薄れ、「二人だけ」のドラマに傾いている印象を受けました。

宿泊の手違いという設定の説得力が少し弱い

ホテルでベッドが4台しかないというトラブルが急に出てくるため、「なんで5台用意してないの?」というリアリティの壁を感じる場面がありました。この手違いは物語を進めるための手段として理解できますが、もう少し“なぜそのミスが起こるか”の説明があれば、納得感が高まったと思います。

感想まとめ

第3話では、修学旅行という非日常の中で、日置と渡会の距離が明確に近づいた回だったと思います。日置が「選ばれた」「隣に居てくれる」という感覚を抱き始め、渡会が「自分を居場所にしたい」「守りたい」という意思を静かに示す。
このドラマが描いているのは、ただの友情でも恋愛でもなく、「居場所を共有し、意味を持たせる関係」ではないでしょうか。
また、遊園地・ホテルという舞台が、背景として単なるロケーション以上の意味を持っているのも印象的でした。非日常の「遊び」のなかで生まれる“特別な瞬間”が、二人の関係の転換点になっていたと思います。

今後への期待と考察

次回以降、私が注目したいのは以下のポイントです。

– 渡会がなぜ日置をそこまで気にかけるようになったのか、その背景・動機が明らかになるか。
– 日置が「なぜ自分なのか?」という問いに向き合い、自分自身の存在意義に気付いていく展開。
– グループ内の他メンバーとの関係性が再び浮上し、「日置と渡会以外」の視点からの動きも描かれるか。
– 宿泊トラブルという設定がどう関係していくのか、また「ベッドをシェアする」という物理的な近さが物語にどこまで影響するか。

このドラマは、「一瞬の選択」「隣にいるということ」の重みを丁寧に描いてくれていると思います。第3話は、その“隣になる瞬間”が明らかになった大きな節目でした。次回以降も、二人の関係の変化をワクワクしながら見守りたいです。
(あいちゃん)

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