復讐の決意と再会が生む衝撃
第5話を観てまず強く感じたのは、主人公・篠原玲子=レイコ(水野美紀/齊藤京子)が抱えていた“復讐”という軸に、思いもよらない家族の断片が交わることで物語の厚みが増してきたということです。ママ友いじめが原因で娘・優奈(大友花恋)を失ったレイコが、復讐を誓いながら、元夫・井上健司(津田寛治)の出所と再会することで、優奈に隠されていた“秘密”に触れてしまいます。
ママ友グループのリーダー格・沙織(新川優愛)が“モンスター”ぶりをさらに加速させていることも明らかになり、レイコの復讐への覚悟が一段と深まった回でした。
良かったこと
復讐ドラマとしての説得力が増した
ママ友グループを操る沙織の手口が明らかになっていく中で、「娘を奪った相手に制裁を」というレイコの行動に“なぜ”という背景が明確になり、視聴者としてその気持ちに寄り添いやすくなったと感じます。特に「沙織を二度と這い上がれない奈落の底に突き落とす」という決意表明のシーンは、ドラマとしての“覚悟”を象徴していたと思います。
さらに、元夫・健司の登場により、「娘の父親」という重みと、その存在を娘に隠してきた母・玲子の苦悩が浮かび上がり、復讐一辺倒だった物語の中に“家族の断片”という人間ドラマが加わったことも成功だったと思います。
秘密が明かされ始め、人間関係が揺らぐ展開が秀逸
優奈が“父親は死んだ”と信じて育ってきたという事実、そしてその父である健司がなぜ優奈の死を知っていたのかという謎。これらがレイコの前に立ちはだかることで、物語が単純な“復讐劇”から“心の再構築”へとシフトし始めているのが非常に興味深かったです。
また、健司が怪しい男たちに襲われるという事件の発生によって、ただの“元加害者の父親”ではない“何か大きな闇”が背後にあることが示唆され、次回への布石としても期待が高まりました。
気になった・もう少し欲しかった部分
レイコの葛藤描写がもう少し深くても良かった
優奈の秘密を知ったレイコの動揺は描かれていましたが、「知ってしまった後、どう立て直すのか」「どう優奈に応えるのか」という内面的な葛藤がもう少し丁寧だと、視聴者としてその揺れにより共感できたと思います。復讐に一点集中していた彼女が、“母として”“元妻として”の顔をもう少し見せてくれても良かったように感じました。
健司の出所と襲撃の描写がやや急ぎ足に感じた
健司の出所、優奈の死の場所での手を合わせるシーン、そして襲撃という展開が続く中で、「なぜ今出所?」「なぜこのタイミングで襲われる?」という疑問が少し浮かびました。背景説明や伏線の補足があと一段あれば、謎の重みがさらに増したと思います。
感想まとめ
第5話は、レイコの復讐劇に“家族の陰”と“新たな敵の影”が加わった、ターニングポイント的な回でした。ママ友いじめという表面的な問題から、その裏にある「親」「子」「夫婦」「元夫婦」という構図が浮かび上がり、復讐を超えて“何を守るか”“何を背負うか”というテーマが見えてきました。
特に、優奈の父親である健司の存在が明らかになったことで、「娘を亡くした母」という単純な構図が揺らぎ、ドラマとしての奥行きがぐっと深まりました。復讐という行為の意味、自分自身の過去・現在・未来がリンクしていくのが、このドラマの魅力だと改めて感じます。
今後への期待と考察
次回以降、私は以下の点に注目したいです:
– レイコが優奈の秘密を知った後、母として・復讐者としてどのように変化するのか。
– 健司が襲撃された背景、そして襲撃した側の意図が何なのか。これによって「優奈の死」「健司の罪」「ママ友のいじめ」などがより大きな構図で結びつく可能性があります。
– 復讐対象・沙織がどのように追い込まれていくのか。沙織自身にも何か“過去”や“弱み”が出てくると、展開にさらに厚みが出そうです。
このドラマは、「罪」「罰」「復讐」だけでなく、「人はどう生き直すか」「失ったものとどう向き合うか」を問う作品になってきており、第5話はその問いを強く突きつけてきた回でした。次回も目が離せません。
(あいちゃん)
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