稽古場で揺れる白崎、撮影準備で試される羽山
第6話では、白崎(新原泰佑)が舞台の稽古期間に入り、演出家・青山(中村まこと)からの厳しい指導に苦悩します。共演者・黒木(夏生大湖)の輝く芝居を見るほどに、焦りや自信喪失の波が押し寄せる白崎。一方で、羽山(駒木根葵汰)は主演映画の撮影準備が始まり、やる気に満ち溢れながらも「新しいアプローチを求められている」という監督からの要望に戸惑いを隠せない。
二人とも“俳優”であるからこそ抱える不安、そして“恋人”でもあるからこそ寄り添える優しさ。その二重生活が、静かな自宅の時間でも、稽古場でも、カメラ回ってないところでも揺れています。
良かったこと
演技の壁をリアルに描いた“俳優モード”の深み
白崎が青山から「もっと深く、自分の中にある感情を出せ」と叱咤される場面がとても刺さりました。俳優として成功したい、でも自分らしさを見失いたくないというジレンマが、白崎の表情・芝居からひしひしと伝わってきました。
羽山の方も、主演映画という責任ある立場なのに「いつも通りではもう通用しない」と言われることで、彼の中にある“守りたいもの”と“変わらなきゃいけないもの”の衝突が描かれていました。
この二人の“俳優として成長し続ける苦しさ”が同時進行で描かれていたのが大きな良さだと思います。
恋人としての“静かな支え合い”が際立つ自宅シーン
稽古場や撮影準備という慌ただしい日々の中、ふたりが自宅で過ごす時間はまるでオアシスのようでした。羽山が白崎を見つめ、白崎が羽山の肩を借りる。言葉少なでもお互いを癒し合うその姿は、視聴者に「俳優である前に、ひとりの人間なんだな」と思わせてくれました。
忙しさと期待、焦りと安心、舞台の上と舞台裏、このギャップを二人が“恋人として”どう埋めていくかが、この回でとても丁寧に描かれていました。
気になった・もう少し掘ってほしかった部分
黒木というライバルの存在感がもう少し欲しかった
黒木が白崎に追い打ちをかける存在として登場しましたが、彼の“何がすごいか”“何を目指しているか”という背景が少しだけ薄かったように感じました。
もう少し黒木自身の動機や背景が描かれていれば、白崎との対比がさらに深まり、“壁”としての説得力が増したと思います。
羽山の新しいアプローチが具体的に見えなかった
羽山が「新しいアプローチが必要」と言われる場面はインパクトがありましたが、視聴者として「どの方向を目指すのか」「何を変えるのか」の輪郭がもう少し明確だと、次回への期待がさらに高まったと感じます。
変化の予兆はあったものの、その“変化の形”がまだぼんやりしていたため、もう少しヒントや演出が欲しかったです。
感想まとめ
第6話は、“俳優としての苦悩”と“恋人としての安心”という二つの側面を行き来する、内面の揺れが大きく描かれた回でした。白崎と羽山、それぞれ表舞台に立つ役割がある一方で、裏ではお互いを支え合う関係性が確かに育っていて、その“ふたりでいる時間”が他のシーン以上に意味を持っていました。
「舞台」「映画」「恋人」という三重の舞台が交差することで、このドラマならではの厚みを感じさせてくれました。
ただ、今回提示された“壁”や“変化”に対する答えは次回以降に持ち越されており、視聴者としてはその解答を期待せずにはいられません。
今後への期待と考察
注目したいのは、白崎が青山演出の舞台でどう“自分らしい芝居”を見せるか、そして羽山が主演映画でどのように“新しい自分”を見つけるかという二つの軸です。
また、恋人としての関係にも変化が訪れそうで、「役者として成長したら、恋人としてどう変わるか」という点も気になります。
私は、ふたりが“俳優”という職業を通して、もっと互いを理解しあい、支えあう関係に進化することを期待しています。
第6話は、そのスタート地点として非常に印象深い回だったと思います。
(あいちゃん)
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