推しの殺人 第6話 感想文(ネタバレがあります)― 君たちがやったんだね?“守るための嘘”が暴く、アイドルの裏側と刑事の執念

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暴かれる“アイドルの影”と問いかけられる“責任”

第6話を観てまず強く感じたのは、アイドルグループ 推しの殺人(以下「ベビスタ」)をめぐる“守るための嘘”と、“追い詰められた真実”の交錯です。
「羽浦(田村健太郎)が死体で発見された。君たちがやったんだね?」という 城田優 演じる河都の問いかけが意味するものは、メンバー全員が“失踪”という事件の当事者であるという宣戦布告です。
アイドルとして、守るべきファンやブランド、グループの名誉。それらを守るために、ルイ(田辺桃子)が仕組んだ“自らのスキャンダル”を演じたという展開は衝撃的でした。
しかしその一方で、「何を守るために嘘をついたのか」「どこまで自分で制御できていたのか」という問いが強く残ります。

良かったこと

“アイドル”という世界のリアルな闇

「ベビスタ」のメンバーが直面するのは、華やかなステージの裏に潜む“契約”“接待”“監視”“失踪”という陰の側面。羽浦という男が開いた“接待”の夜、レンタカーで山に向かったという話、そして河都がルイに告げた「メンバー全員が関与している」という宣言――これらすべてが“アイドルを守るための守り手/操り手”的な構図を浮かび上がらせます。
ルイの行動も、単なる被害者、加害者という二元論ではなく、「脅迫された」「利用された」「守ろうとした」という複雑な心情が見えてきました。

捜査視点の揺らぎと緊張感

刑事側では、逮捕した久保(水間ロン)が事件を否認し、スマホからも決定的な証拠が出てこないという“捜査の迷路”が描かれています。被害者たち全員が登録していたエスコートクラブ「ガーデン」など、グループが隠すべき場所が明確になり、視聴者としては捜査と被疑者の心理戦がいっそう深まったと感じました。
この“捜査”と“アイドル側”という二重視点が並行し、どちらにも舵を切れない不安、疑念、焦燥感が生まれていて、ドラマとしての緊張が非常に高かったです。

気になった・もう少し欲しかった部分

ルイの決断に至るプロセスの掘り下げ

ルイが「アイドルを辞める」と決意する場面には説得力がありましたが、その心変わりを視聴者が“共に揺れる”までには、もう少し時間を割いてほしかったという印象があります。
「自分がやった」というスキャンダル演出の背景、河都との関係、テルマ・イズミとの距離感など、細部の感情の動きにあと一歩の厚みがあれば、より共感しやすかったと思います。

失踪/殺人の謎解明までの歯止め

羽浦の死体発見、メンバー全員の関与宣言、クラブ「ガーデン」の存在――と大きな謎の提示が続いた分、「では真相に迫るにはどう動くのか」という構図が少し先送りされたようにも感じました。エンジンはかかってきたものの、視聴者が“今何が動いているか”を整理しきれない瞬間もありました。

感想まとめ

第6話は、「守る・守られる」「表と裏」「真実と偽装」といったテーマがモヤモヤと絡み合いながら、アイドル・捜査・暴露という三軸で物語が加速していく回でした。
ルイという“表舞台のスター”が、自らの嘘を武器にした瞬間。河都という“操る者”が、メンバー全員を揺さぶる瞬間。捜査側が、証拠を掴めずに焦る瞬間。
アイドルのキラキラした部分ばかりではなく、その周辺に渦巻く影の深さをこの回は容赦なく暴きました。
ただ、謎が明らかになる手前で終わったこともあり、「なぜ」「どうやって」「誰が」がまだ先延ばしにされている感じもあります。これが次回への興味を引く“仕掛け”として機能しているとも言えます。

今後への期待と考察

次回に注目したいのは、以下のポイントです:
– 羽浦はなぜ殺されなければならなかったのか?レンタカーで向かった山で何が起きたのか?
– 「ガーデン」というクラブの実体と、ベビスタメンバーの登録・関与度合い。
– ルイ、テルマ、イズミ。それぞれが持つ“秘密”とそのズレ。
– 河都の目的は何か?操っているのか、利用されているのか?
捜査もアイドルも、どちらも“一枚皮”をはがされたような回になりました。次回、真実が少しずつ動き出すことを期待しています。
(あいちゃん)

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