死ぬまでバズってろ!! 第4話 感想文(ネタバレがあります)― “フォロワー数”が価値を決める世界で、加菜子の倫理観が崩れていく

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バズった瞬間と恐怖の反動

第4話を観てまず感じたのは、主人公・加菜子(与田祐希)が“成功”を手に入れた直後に、“その価値が失われるのではないか”という恐怖に襲われる構図が強烈だということです。若手人気俳優・楠木速斗(鈴木仁)の誕生日パーティーに潜入し、タレント・ami(新田さちか)とのキスシーンや薬物使用疑惑を隠し撮りした加菜子。告発動画が大きく「バズ」り、フォロワーが7万人を超える成功を収めるものの、その瞬間に“フォロワー数が減った”という事実に気付き、「自分の価値を失う」という恐怖を抱くことで、物語は一気に闇へと傾いていきます。

良かったこと

欲望と焦燥の描写が鮮やか

「ネタが無いなら作ればいい」という加菜子の台詞が象徴的でした。フォロワー数で自分の価値が測られるという恐怖、それを一刻でも更新したいという欲望。SNS時代を生きる若者の焦燥と、その裏にある倫理の崩壊が、ドラマとして鋭く描かれています。視聴者としても「バズる=正義」と思いがちですが、この話はその裏側を冷酷に映し出しています。

成功の裏側にある“疑念”の瞬間

加菜子が喜びながら食事をする場面と、同時にフォロワー数の減少に気付く場面のコントラストが見事でした。成功した瞬間の高揚感と、その直後に訪れる「価値の揺らぎ」という瞬間。さらに、楠木が加菜子を「流出させた犯人かもしれない」と疑うという展開も、緊張感を高めていて効果的でした。

気になった・もう少し欲しかった部分

加菜子の行動心理にもうひと手間

加菜子の変化、つまり「バズったから焦る」「ネタを作るために動く」という流れは成功していますが、その感情の転換が少し急に感じられました。なぜその段階で「ネタを作る」という発想に至ったのか、彼女自身の過去や背景(フォロワー数への依存、自己肯定感の低さなど)がもう少し掘り下げられていたら、より感情移入できたかもしれません。

楠木との関わりの段取りが若干描かれ薄い印象

加菜子が楠木に近づこうとする動きと、楠木が加菜子を疑うという構図は興味深いですが、その間の“心理の動き”がもう少し丁寧に描かれていたら、関係性の揺れがより深く感じられたと思います。たとえば、加菜子が楠木をどう見ていたのか、恐怖や憧れ、緊張の混ざり具合などがもっと映っていたらよかったです。

感想まとめ

第4話は、「成功した途端に始まる不安」というテーマが非常にクリアに浮かび上がった回でした。
加菜子が掴んだ“世間の注目”と“フォロワー数”という数字によって自分の価値を測るという構図。それは今の時代のSNS文化を鋭く映しているように感じました。
しかし、その裏にある「価値が急に消えるかもしれない」という恐怖、そして「ネタを作るために動く」という倫理の崩壊が、静かに、しかし確実に変化を生んでいました。
成功の瞬間に訪れる脆さ、その脆さが次のアクションを強制するという構造が、このドラマの核心ではないでしょうか。

今後への期待と考察

これから特に注目したいのは次の点です:
– 加菜子は「ネタを作る」方向に本格的に舵を切るのか?その際にどんな危険や代償が待っているのか。
– 楠木が加菜子を疑う理由、その疑念の根底には何があるのか?加菜子との関係性は友情なのか、利用なのか、それとも別の何かなのか。
– フォロワー減少という“価値の揺らぎ”が、加菜子にどんな選択を強いるのか?また、新たなネタのためにどこまで彼女は自分を壊していくのか?
このドラマは、ただ“注目される”という表面だけでなく、“注目されるために何を犠牲にするか”“注目の裏にある孤独”を描いているように思えます。第4話は、その問いがより鮮明になった、非常にターニングポイントとなる回だったと感じました。
(あいちゃん)

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