警護と恋の二重ミッションが交錯する
第4話を観てまず印象に残ったのは、警護チームとしての使命と、北沢辰之助(岩本照)が担う“守るべきもの”の数々が、恋愛という人間ドラマとも絶妙に絡み合っていたことです。依頼は“推定1億円”ともいわれる骨董品の警護。兄弟の相続争いを背景に、辰之助や三雲千早(成海璃子)、岸村里夏(白石麻衣)がそれぞれの立場で揺れ動きます。そして警護の現場だけでなく、里夏と辰之助の距離にも新たな変化が生まれ、「仕事」と「恋」が両輪で回る構図がとても興味深かったです。
良かったこと
警護任務の緊迫感と人物ドラマの融合
“超高額骨董品”という非日常的な任務が、単なるアクションではなく、兄弟の心理、法律事務所の緊張、警護チームのプロ意識という多重構造で描かれていた点が良かったです。弟・宮園勇吾(オラキオ)が金銭的に追い詰められて壺を狙っているという設定が、警護という仕事の“守る”という側面だけでなく“何を守るか”“誰を守るか”という問いも投げかけていて、深みを感じました。
また、辰之助と千早が休憩中に近づいたところを里夏に見られてしまうという“見られてはいけない瞬間”が恋愛ドラマとしても胸キュン&ハラハラを両立させていて、演出のバランスが高かったと思います。
恋愛パートの進展と揺れ動く心境
遠距離中の里夏と辰之助の関係に、千早という第三者の存在が入り込むことで、恋愛ドラマとしてのスリルもしっかりありました。里夏の一時帰国、里夏と辰之助の“偶然”では済まされないシーンの数々、そして辰之助が里夏を追いかけるシーン――これらが「警護」という硬派なテーマと“恋”という感情的テーマを巧みにリンクさせていて、視聴者として感情移入しやすかったです。
気になった・もう少し欲しかった部分
警護チーム内の“内通者”疑惑の扱いがやや前振りに留まった
今回、警護情報が漏れてしまう可能性=“内通者”の疑いがチラつき、ドラマ全体に不安定な空気を生んでいました。しかし、内通者に関する情報や手がかりがまだ散発的で、視聴者として「誰が、なぜ、どうして」という本線にもう少し迫ってほしかったと感じました。伏線としては十分効果的ですが、回としての印象をさらに強くするには、もうひとつ“事件の核心”に近づく展開が欲しかったです。
恋愛と警護の描写バランスの微調整があっても良かった
警護任務の緊張と恋愛の揺れ動きという対比は魅力的ですが、両者が同時進行で進むことで一部“どちらにも深く追いつけていない”感覚が残る場面もありました。例えば骨董品警護の中で、もっと辰之助たちの緊張や危機回避の瞬間をもう少し丁寧に描いてくれたら、恋愛パートの“間”もより映えたのでは、と思います。
感想まとめ
第4話は、警護対象が“人”ではなく“物”になったことで、守るという概念が少し抽象的になりかけた瞬間をきちんと補強していたと感じます。壺という存在を通じて、“守るべき価値”“守るべき関係”が再定義され、辰之助という男の強さだけでなく弱さも見えた回でした。
また、恋愛ドラマとしては“見せ場”がしっかりあり、里夏と辰之助の関係がただの遠距離恋愛から“揺れ動く三角関係”へと発展しそうな予感が視聴者をワクワクさせました。
ただし、物語の深みを出すにはもう少しだけ“裏の動き”や“警護のリアル”に時間を割いてほしいという思いもあり、次回以降の展開に大いに期待しています。
今後への期待と考察
次回以降に注目したいのは、まず“内通者”疑惑がどこまで本格化するかという点です。警護チーム内部に潜む裏切り、そして警護対象である壺を巡る兄弟の本音。これらがどのように交錯し、どちら側の“守るべきもの”が勝つのか。
また、恋愛面では里夏・千早・辰之助という三角関係がどう転がるのか。特に、辰之助がどこまで“警護マン”としての使命と“男性としての想い”を両立できるかが鍵になりそうです。
このドラマは、ただのアクションや恋愛だけでなく、「守るとは何か」「誰のために守るのか」「そして、愛するとは何か」を、警護という特殊な職業を通じて描いているように感じます。第4話は、その問いがより鮮明になった回だったと思います。
(あいちゃん)

