『ばけばけ』第31話、“優しい嘘”が胸を締めつけた朝(感想)(ネタバレがあります)

本ページはプロモーションが含まれています

第31話、静かで、優しくて、痛かった。
トキ(高石あかりさん)のついた嘘が、誰かを救うためのものだったからこそ、余計に胸が苦しくなった。
「おじ様のお名前をお借りして嘘をつきました」——この一言に、彼女の強さと哀しさが全部詰まってた。
朝ドラなのに、朝から心が重くなるほどの名シーン。

トキ(高石あかりさん)の“優しすぎる嘘”

女中としてヘブン(トミー・バストウさん)の家で働き、もらった給金20円。
自分のために使うこともできたのに、トキはそれを半分に分けて、貧しい雨清水家に渡そうとする。
「おば様を助けてごしなさい」と三之丞(板垣李光人さん)に託す姿、
ただの善意じゃなくて、“覚悟”そのものに見えた。
でも三之丞に拒まれて、「これはおじ様から預かったお金」と嘘をつく。
あの瞬間、彼女の中で何かが壊れて、同時に何かが生まれたように感じた。
優しさって、時に残酷な選択を伴うんだと思わされた。

「申し訳ございません」——空に向けた祈り

ふらつく足取りで歩きながら、空に語りかけるトキ。
「おじ様、申し訳ございません。おじ様のお名前をお借りして嘘をつきました」
その言葉の後に見せた“泣きそうな笑顔”、まるで天に許しを乞うようだった。
高石あかりさんの演技がすごい。
言葉よりも、表情の奥にある感情で全部伝えてくる。
あのわずかな瞬きや息づかいまでが物語になっていた。
「許してごしなさい」って言葉の方言の響きが、優しさと切なさを倍増させていた。

三之丞(板垣李光人さん)との“気づいている沈黙”

三之丞が封筒を受け取る時、ほんの一瞬、目の奥が動いた。
たぶん、彼は気づいていた。
これは“おじ様”からじゃなく、トキ自身のお金だって。
でも、それを言わない。
お互いにわかっていて、言葉にしない。
その沈黙の優しさが、余計に痛かった。
彼女を“バカにするな”と突き放したあとに見せたあの表情——悔しさよりも哀しみが勝っていた。

“覚悟”のラストカット

借金まみれの実家を救うため、そして三之丞とタエを助けるために、
トキはヘブンの女中として生きる道を選ぶ。
母・フミ(池脇千鶴さん)に「花田旅館で働く」と嘘をついた笑顔の裏に、
“女が自分を捨ててでも誰かを守る覚悟”が見えた。
最後の空を見上げるラストカット、涙をこらえてるのか、
それとも安堵しているのか、どちらにも見える表情。
希望と絶望の境界線に立つ顔だった。
SNSで「安堵とも絶望とも感じる」「高石さんの表現力すごい」って声が多かったのも納得。

高石あかりさんの“静かな熱演”に絶賛の声

放送後、SNSでは「優しくて哀しい嘘」「月曜から辛い」「朝から心が震えた」と感想が相次いだ。
「最後の笑顔に救われた」「三之丞は気づいてたよね」「あの空の色が忘れられない」など、
トキの一瞬の表情に心を掴まれた視聴者が続出。
高石あかりさんの演技は、泣かないのに泣いてるようで、
台詞よりも“間”で語るタイプ。
この回で完全に“朝ドラヒロイン”としての存在感を確立した気がする。

まとめ

第31話は、“優しい嘘”が人を救うこともあれば、自分を壊すこともあるという回だった。
トキ(高石あかりさん)は、自分を犠牲にしても誰かを想える人。
だからこそ、その嘘が美しくも残酷だった。
「許してごしなさい」という祈りの言葉が、ずっと耳に残る。
朝から涙が出るほど静かな名場面。
この物語の“光と影”が、いよいよ本格的に動き始めた。
(ちーず姫)

「ばけばけ」の関連グッズを楽天ブックスで探す
「ばけばけ」の関連グッズをAmazonで探す