久部三成(菅田将暉さん)が焦りに突き進んでいく姿を見てるだけで胸がざわっとする回だったのに、最後の最後でトニー(市原隼人さん)がひっそり稽古してる姿が映って、一気に涙腺ゆるんだ。
静かに温度を上げるようなあの稽古の声、久部の足が止まる瞬間、感情の方向が変わる気配。
第7話、シンドいのに優しさがちゃんと残ってて、心に傷と救いが同時に刻まれる回だった。
久部(菅田将暉さん)が“悪い方向”に転がりはじめた切なさ
最初は演劇への情熱そのものだった久部が、「夏の夜の夢」の事故をきっかけに是尾礼三郎(浅野和之さん)へ心酔してしまい、演目を「冬物語」に差し替えるのも勢い任せ。
WS劇場のノルマ“週120万円”に追われていくうちに、心を削られたみたいに判断が極端になっていく。
蓬莱省吾(神木隆之介さん)の忠告は全部シャットアウトされて、久部の目に“焦りの光”だけが残っていく感じが本当に苦しかった。
もともとは夢に向かってまっすぐだったのに、努力の方向がズレるだけでこんなに危うい香りを放つようになるんだ…って思って、喉がきゅっとなる。
見る側も止められないのがまた切ない。
コントオブキングス・王子はるお(大水洋介さん)の“150万円”が運命を狂わせる
はるおがテレビレギュラーのオファーを受けて前金150万円をもらった瞬間は、ただただ明るい出来事に見えたのに、そこから全部が少しずつ歪んでいくのがつらい。
相方・彗星フォルモン(西村瑞樹さん)と一緒じゃない仕事で、コンビ解散が条件っていう重さ。
悩むはるおに久部(菅田将暉さん)が最初は「自分の幸せをつかめ」と背中を押したのに、自分の舞台を“降りる”ことになると途端にトゲのある言葉に変わるの、久部の不安がそのまま出てる感じで胸が痛い。
でもはるおが前金をフォルモンに渡したいと言うと、久部が“自分が渡す”と強引に受け取ってしまう。
その瞬間の久部の手の震えそうな焦りが、画面越しにも伝わって苦しくなる。
その150万円が劇団の穴埋めに使われてしまう未来が、もう見えてしまって座る姿勢が固くなる。
蓬莱省吾(神木隆之介さん)の“嘆き”が静かに刺さる
「どうするんですか、これから」
蓬莱が言ったこの一言、声の揺れに久部の未来への不安が全部詰まってて痛い。
久部は「うるさい!」と突っぱねるけど、それは耳を塞がないと崩れてしまいそうだからの拒絶で、強さじゃなくて脆さの方に見えてしまう。
本当は誰よりわかってるんだよね、劇団がもう危ないことも、自分の判断が正しいかどうかも。
久部が“逃げ続けてる”って空気が画面を暗くしていくのに、どうしようもなく目を離せなかった。
そしてトニー(市原隼人さん)の稽古が久部を救う
劇場の奥から聞こえてきたあの小さな声。
振り向いた先で、黙々とせりふの練習を続けるトニーの姿がまっすぐ過ぎて、胸の奥がじわっと熱くなった。
トニーの不器用な発声と、真剣さだけで積み上げる芝居の形が、久部の心の曇りを一瞬で吹き飛ばす。
久部が自然と演技指導に入り、トニーの声と姿勢が変わっていくその瞬間、久部の目から涙がこぼれるの、本当に綺麗だった。
誰かの才能じゃなくて、誰かの“まっすぐさ”が人を救う場面ってこんなに静かで強いんだって思った。
市原隼人さんの佇まいの優しさと熱さが噛み合って、胸にドンと来る。
視聴者まで救われる“トニーのひとこと”の力
SNSで「トニーに泣かされた」「トニーに救われた」という声が溢れてたけど、ほんと同じ気持ち。
せりふひとつだけなのに、人の心を揺らすのってすごい。
静かで派手じゃない稽古が、久部の暴走を止める最後の糸になっているのがドラマとしても綺麗過ぎる。
焦りで方向を失った久部を連れ戻したのは、最初からずっと芝居に向き合っていたトニーの熱だった。
なんかもう、胸がつんと痛いのに温かい。
まとめ
第7話は、久部三成(菅田将暉さん)の焦りと迷いがピークに達していく息苦しさと、トニー(市原隼人さん)のひっそりとした稽古が差し込む優しさが対照的で、心がずっと揺れていた。
蓬莱省吾(神木隆之介さん)の言葉も刺さるし、コントオブキングスのはるお(大水洋介さん)の150万円の重さも忘れられない。
でも最後の“稽古の声”がすべてを変えてくれて、久部の涙に自分の感情まで持っていかれた。
静かな温度の回だったのに、余韻だけは強烈に残る第7話だった。
(ゆめのん)
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