『ふたりエスケープ』、第9話の過去回想が尊すぎて心がきゅん(感想)(ネタバレがあります)

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第9話は、先輩(岩本蓮加さん)がいなくなったあの続き。
1週間の空白が重くて、後輩(冨里奈央さん)の表情が静かな湿気みたいに胸に残る。
でも回想が始まると、一気に高校時代の空気が蘇ってまぶしい。
2人の関係がどこから始まったのか、それだけで物語の地図が塗り直される気がした。
失踪の理由も、言葉の裏に優しさと不器用さが混ざってて切なかった。

きっかけは写真と落書き、ひそかなやり取りが尊すぎた

後輩(冨里奈央さん)が実家で見つけた1枚の写真。
そこに写っている先輩(岩本蓮加さん)は、あの日と同じようにおしゃれでちょっと遠い存在。
でも勇気を振り絞って声をかけて、ツーショットを撮った。
あの日のドキドキと光の粒がまだ写真に残ってるみたい。
図書室の壁に先輩が残した「ここを憩いの場とする」の落書き。
それに「賛成に一票」と返した後輩。
直接じゃなく、文字だけで繋がった2人の世界。
まるで秘密基地みたいで、知らない人は誰も入れない感じが愛おしい。

壁に書いた言葉だけで仲良くなっていく関係が甘い

翌日には「サボる時はここを利用する」という先輩の追記。
その軽さとユルさが先輩らしくて笑えた。
壁越しの会話なのに距離が縮んでいく感じ、青春の匂いそのまま。
図書室でスルメをあぶる先輩なんて普通いないのに、後輩はそれすらネタに変えて笑ってた。
視点を共有して、くだらないことが宝物になる。
その時間は高校生活の救いで、今の後輩を作った源だったんだと思うと胸が熱くなる。

先輩を探す夜のシーン、胸がひゅっとなるほど切なかった

先輩が消えて1週間、後輩はただ会いたくて街を歩く。
アーケード、公園、共通の思い出の場所をぐるぐる巡るのにそこに先輩はいない。
「いきなり消えるなんてひどい」
「さよならくらい言ってよ」
強く言う声じゃない、ぽつり落ちる涙みたいな言葉。
一晩中探して疲れた足取りで帰ると、タコ焼きの匂いと一緒に先輩が玄関に。
泣きそうな嬉しさと安心が一瞬で全身に広がる空気、あの場面は忘れられない。

失踪の理由は「ちょっと怖くなった」その言葉がリアル

タコ焼きを頬張りながら、公園でやっと聞けた本音。
先輩(岩本蓮加さん)は後輩の「私が養ってあげます」に引っ掛かった。
支えられたまま居座ってしまいそうな未来が、ほんの少し怖かった。
自由人らしい理由なのに、その裏にある弱さが愛しく見える。
帰って来てもソファに寝転んで怠けてる姿は変わらないのに、それでもいいって思える後輩(冨里奈央さん)。
「恩人なんですから」と笑って言えた気持ちの強さに、また心がぎゅっとなった。

「お前もマンガ家になれば笑」その一言が人生を変えた

高校写真の裏には続きがあった。
壁へ書いた先輩の一言、「お前もマンガ家になれば笑」。
冗談みたいな文字なのに、その言葉が後輩の道を決めた。
軽いようで重い、無責任なようで、最高の背中押し。
先輩は今も自由奔放で、後輩は今も追いかけてる。
それが痛いほど真っ直ぐで、美しい関係だと気づいた第9話だった。

まとめ

第9話は、2人の過去がやっと形を持った回。
先輩(岩本蓮加さん)は自由で、後輩(冨里奈央さん)は真っ直ぐで、そのズレすら愛しい。
失踪も帰還も、砂金の小さすぎる成果も、全部ふたりらしくて笑えて泣ける。
壁の落書きから始まった関係は今でも続いていて、それが一番尊い。
ただそばにいてほしい気持ちを、言葉にしないまま手放さず抱きしめてる優しい回だった。
(こうちゃん)