最終話、空気は落ち着いているのに、感情だけずっと揺れていた。
薫(波瑠さん)と茉海恵(川栄李奈さん)が守ってきたものが、ようやく報われる流れにほっとする。
その中で、最後まで印象に残ったのが本橋慎吾(笠松将さん)の変化だった。
見終わったあとに思い出したのが、物語よりも慎吾の表情だったのが正直な感想。
本橋慎吾(笠松将さん)の欲張りすぎた選択
慎吾は、実の娘だと分かったいろは(池村碧彩ちゃん)も、茉海恵の会社も、どちらも手に入れようとした。
親権と引き換えに会社と社員の未来を差し出せ、という条件はあまりにも身勝手。
選択肢を与えているようで、実際は追い詰めているだけなのが苦しい。
臨時説明会で薫(波瑠さん)と茉海恵(川栄李奈さん)を責め立てる姿は、完全に支配する側の人間だった。
子どもたちの声が空気を変えた場面
流れを変えたのは、大人の権力じゃなくて子どもたちの声だった。
いろはのクラスメートたちや、佐々木の直訴がちゃんと届いたのが救い。
退学処分が取り消される展開は派手じゃないけど、心が軽くなる瞬間だった。
いろは(池村碧彩ちゃん)の居場所が守られたことで、物語が本来の優しさを取り戻した感じがする。
社長解任がもたらした静かな時間
三ツ橋食品で不自然な送金が発覚し、慎吾は社長職を解任される。
あれだけ強気だった人が、肩書きを失う流れは意外とあっさり。
でも、その後に描かれた「仕事を休んで家族と過ごす時間」が大きかった。
誰かを支配しなくても、人はそこにいていい。
笠松将さんの表情が、それを無言で語っていた。
「いいじゃん」に集約された慎吾の変化
圭吾が将来サッカー選手になりたいと話したときの慎吾の反応が印象的。
否定も条件もなく、ただ「いいじゃん」と返すだけ。
それまでの慎吾を思うと、その一言がものすごく大きく感じる。
人の人生を操作しようとしていた人が、応援する側に立った瞬間だった。
まとめ
最終話は、敵役だった人物の変化まで丁寧に描いたラストだった。
薫(波瑠さん)と茉海恵(川栄李奈さん)が守ろうとしたものが、未来につながったのが分かる。
本橋慎吾(笠松将さん)の変化は、好き嫌いは分かれても強く印象に残る。
見終わったあと、いちばん思い返したのが慎吾の穏やかな顔だった。
それだけ、この最終話での存在感が大きかった。
(みかんてぃ)

