『フェイクマミー』最終話、さゆりの抱擁がすべてを包み込む(感想)(ネタバレがあります)

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最終話、空気が張りつめたまま進むのに、最後だけ温度が変わった。
薫(波瑠さん)と茉海恵(川栄李奈さん)が必死で守ろうとしてきたものの行き先が見えた気がした。
その中心で、さゆり(田中みな実さん)が見せた静かな覚悟が強すぎる。
派手な勝利より、胸の奥に残る余韻が大きいラストだった。

さゆり(田中みな実さん)が選んだ危うい役回り

いろは(池村碧彩ちゃん)を迎える準備として、圭吾(高嶋龍之介くん)と同じベッドと机を用意するよう指示されるさゆり。
家庭の中での立ち位置が、最初から息苦しい。
それでも感情で動かず、慎吾が風呂に入っている隙にスマホを確認する冷静さがある。
愛情だけじゃなく、現実を見る目を失っていないのが分かる。
この時点で、ただ耐える人じゃないって伝わってくる。

証拠を渡す決断が示した母としての覚悟

薫(波瑠さん)と茉海恵(川栄李奈さん)のもとへ行き、不正の証拠になりそうなデータを渡す場面。
夫を裏切る行為なのに、迷いが少ない。
圭吾が誇れる家族でいたい、その一点だけで動いている感じ。
正義感というより、母としての選択に見えるのが切ない。
さゆりが一番現実的で、一番痛い役を引き受けてる。

追い詰められた慎吾と、迎えに来たさゆり

社長職を解任され、虚勢だけで自分を支えようとする慎吾。
そこへ現れたさゆりが「迎えに来ました」と言う瞬間、空気が変わる。
責めるでも突き放すでもなく、「もう終わりにしてください」という言葉が重い。
慎吾(笠松将さん)が泣き崩れる姿は、権力の鎧が剥がれた瞬間だった。

抱きしめることで終わらせた戦い

「もう戦わなくていいんです」。
この一言に、さゆりが見てきた時間が全部詰まってる。
理解しているからこそ、否定しない。
許すことを選ぶ強さが、画面越しでもはっきり伝わる。
田中みな実さんの表情が、言葉以上に説得力を持ってた。

SNSが「聖母」と呼んだ理由

離婚や断罪を予想していた人ほど、衝撃が大きかったと思う。
さゆりは慎吾を免罪したわけじゃなく、戦場から降ろしただけ。
その違いが分かるから、「聖母みたい」という声が広がったんだと思う。
優しさが甘さにならない描かれ方が印象的だった。

まとめ

最終話は、勝ち負けじゃなく終わらせ方を描いた回だった。
さゆり(田中みな実さん)の選択が、物語全体の重心を静かに動かした。
慎吾(笠松将さん)も、ようやく人として立ち止まれた感じがする。
誰かを切り捨てない結末だからこそ、後味が深い。
このドラマ、最後まで簡単な答えを出さなかったのが良かった。
(みかんてぃ)