『ばけばけ』第60話、ラスト一通の手紙で空気ひっくり返るのやめて(感想)(ネタバレがあります)

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第60話、静かに積み重ねてきた感情が、最後の最後で全部揺さぶられた。
トキ(高石あかりさん)とヘブン(トミー・バストウさん)の時間が、やっと深いところに触れそうだったのに。
その直後に届いた一通の手紙で、空気が一変する。
余韻に浸る暇もなく、心が次週に引きずられる回だった。

怪談がつなぐ、トキとヘブンの大切な夜

ヘブンが怪談に心から魅了されていく様子が、ここ最近ずっと丁寧に描かれてた。
夜な夜な語られる怪談は、娯楽というより二人だけの言葉。
トキが語るほど、ヘブンが喜ぶほど、距離が近づくのが分かる。
だからこそ、その時間が終わりに近づいていると知った瞬間の切なさが強い。
幸せと別れが同時に進んでいく感覚が、胸に残る。

語るほど近づく別れという残酷さ

ヘブンが日本に来た理由が「滞在記を書くため」だと分かり、物語の温度が変わる。
最後のピースが怪談だと知ったトキの表情が忘れられない。
自分の大切なものが、別れへのカウントダウンになる。
怪談を語ることが喜びであり、同時に痛みになる構図がつらい。
それでもヘブンにせがまれて語ってしまうトキの優しさが苦しい。

「水飴を買う女」に込められた迷い

言い訳をして怪談を避けようとするトキ。
でも結局、「水飴を買う女」を語ることを選ぶ。
ためらいながら語る声が、いつもより静かで重たい。
ヘブンは純粋に物語を受け取っているのに、トキだけが先を知っている。
このすれ違いが、見ていて本当にしんどい。

ラストの手紙で全部持っていかれる

松野家に届いた一通の手紙。
差出人が銀二郎(山根銀二郎/寛一郎さん)だと分かった瞬間、空気が凍る。
母のフミ(池脇千鶴さん)と祖父・勘右衛門(小日向文世さん)の驚き方がリアルすぎる。
退場したと思っていた人物の名前が、文字だけでこんな破壊力。
余韻より衝撃が勝つラストだった。

次週予告が追い打ちすぎる問題

第13週の予告で描かれた、銀二郎の再登場。
トキの手を握って「やり直したい」と告白する姿が強すぎる。
別れてから時間が経ってるからこそ、再登場の重みが違う。
トキとヘブンの関係が深まった今だから、余計に波紋が広がる。
感情の置き場がなくなる予告だった。

SNSがざわつくのも当然の展開

「予想外」「声出た」「まさか戻ってくるとは」。
こういう反応が並ぶのも納得しかない。
物語が落ち着くどころか、もう一段階ギアを上げてきた感じ。
銀二郎という存在が、物語の重心をどう動かすのか気になりすぎる。

まとめ

第60話は、静と動の切り替えがあまりにも鮮やかだった。
トキ(高石あかりさん)とヘブン(トミー・バストウさん)の関係が深まった直後の急展開。
怪談の温度と、現実の揺さぶりが同時に来る構成が見事。
次週を待つしかない状況に、心だけ置いていかれる。
朝ドラでこの引き、正直ずるい。
(ちーず姫)