最終回、画面を見てるのに思考だけ置いていかれる感じだった。
都成(水上恒司さん)が積み上げてきた違和感が、一気に形になる瞬間が何度も来る。
理解が追いついたと思ったら、さらにその先が出てくる。
「え、そういうこと?」が止まらなくて、心拍数だけが正直だった。
血と暴力の先で起きた静かな修羅場
龍二(遠藤雄弥さん)が車から降りる場面から、空気が一気に張りつめる。
都成が拘束され、刃物で腕を切られる展開は痛みまで想像できてしんどい。
でも、都成(水上恒司さん)が冷静に揺さぶりをかけて逃げ出す流れが、この作品らしい。
さらに、龍二が目にした久太郎(アフロさん)の姿で、感情が完全に爆発する。
怒りが報復に変わり、折田(染谷将太さん)との対峙へと一気に進む展開が息苦しい。
折田(染谷将太さん)の「俺のじゃない」が意味するもの
龍二を撃ち、瀕死になった折田が都成にスマホを求める場面。
ここで出てくる「このスマホは折田のものじゃない」という説明が、あとから効きすぎる。
折田自身が「俺のじゃない」と否定することで、物語が一段階ズレる。
都成が困惑する表情が、そのまま視聴者の気持ち。
真実が近づいているのに、核心から微妙に外れていく感覚が怖い。
1年後の再会が一気に伏線を動かす
時間が飛んで、バーガーショップ「シナントロープ」で志沢(萩原護さん)と再会。
ここからの情報量が一気に増えるのに、不思議と整理されていく。
水町の祖父がインカアジサシ(綾田俊樹さん)だと分かり、点が線になり始める。
何気ない会話が、全部意味を持ってたんだって気づかされる流れ。
この段階で、もう嫌な予感しかしない。
スマホの顔認証が持っていったラスト
都成が水町と再会し、「写真撮ってください」と言う場面。
その言葉の軽さと、行動の重さのギャップが異様。
水町の顔の前でスマホを掲げ、ロックが解除される瞬間、理解が追いつく。
折田のものでも、都成のものでもなかった理由が、ここで全部回収される。
静かな画なのに、頭の中が一気にざわつく終わり方だった。
水町という存在の怖さ
派手な悪役じゃないのに、水町の存在感が最後に全部を上書きする。
感情を表に出さない分、余計に不気味。
「折田より怖い」って声が出るのも納得しかない。
説明されすぎないからこそ、想像が止まらなくなる。
見終わったあとも、水町の表情が頭から離れない。
まとめ
最終回は、伏線回収を見せるというより、理解した瞬間に感情を揺さぶってくる構成だった。
都成(水上恒司さん)が追ってきた真実が、想像以上に近くて遠かったのが苦い。
物語のピースがはまった瞬間の気持ちよさと、残る不穏さが同時に来る。
全部分かったはずなのに、安心できない終わり方。
この後も考え続けてしまうタイプのラストだった。
(こころん)

