最終回、静かに終わると思ってたら、感情の整理が追いつかないまま置いていかれた。
都成剣之介(水上恒司さん)の視線が揺れるたびに、こっちの心も一緒に揺れる。
水町ことみ(山田杏奈さん)を信じたい気持ちと、疑いが同時に膨らんでいく感じがしんどい。
見終わったあと、しばらく言葉が出なかったタイプのラストだった。
拉致事件の先で描かれた“1年後”の空気
折田(染谷将太さん)による拉致監禁事件から1年後。
銀行員になった都成が、志沢匠(萩原護さん)と一緒にシナントロープを訪れる場面は、妙に落ち着いてる。
店は繁盛していて、日常はちゃんと続いている。
でも、その穏やかさが逆に怖い。
何もなかったみたいな空気ほど、過去が重く感じる瞬間ってある。
ハシビロコウこと志沢(萩原護さん)の静かな推理
志沢が近況を語る流れは、雑談みたいなのに核心に近づいていく。
「誰が一番得をしたか」って視点が、あまりにも冷静。
水町がすべてを手に入れたという結論に、都成はすぐに反論できない。
志沢の語り口が淡々としてる分、内容が刺さる。
名探偵ポジションをここで持ってくるの、構成がうまい。
水町ことみ(山田杏奈さん)の秘密が積み重なる
水町の父親と折田の過去、強盗事件から拉致監禁までの流れ。
偶然だと思っていた出来事が、一本の線につながっていく。
どこまで計算していたのか分からないのが、いちばん怖い。
「結果として全部手に入れた」という事実だけが残るのが不穏すぎる。
山田杏奈さんの表情が、無垢にも見えてしまうのが余計に効く。
顔認証が解除された瞬間の静かな衝撃
都成が取り出した携帯を、水町の顔に向ける場面。
セルフィーを撮ろうとしただけなのに、顔認証ロックが解除される。
音も派手な演出もないのに、背中が冷える。
都成の中で、信じてきたものが音を立てずに崩れた瞬間だった。
ここで説明しすぎない演出が、本当に意地悪。
折田(染谷将太さん)よりも上だった存在
冷酷なトップとして君臨していた折田ですら、操られていた側だった可能性。
視聴者が「黒幕」だと思っていた位置が、ずれていく感覚がある。
水町が一枚も二枚も上だったと思うと、ゾッとする。
それでも完全な悪に見えないのが、この物語の厄介さ。
都成が一番かわいそう、って声が出るのも分かる。
最終カットで回収された伏線の重み
ラストで明かされる、都成の過去と折田の父親の関係。
1話から積み重ねてきた伏線が、ここで静かにつながる。
派手な種明かしじゃないのに、納得感がすごい。
この物語は最初から、誰かの人生の延長線だったんだと思わされる。
まとめ
最終回は、真相が分かっても安心できない終わり方だった。
都成剣之介(水上恒司さん)が知ってしまった真実は、あまりにも残酷。
水町ことみ(山田杏奈さん)の存在は、怖いのに目が離せない。
信頼と疑念が同時に残る余韻が、このドラマらしい。
見終わったあとも、ずっと考えさせられる最終回だった。
(あやぴょん)

