最終回、静かに終わったのに胸の奥だけずっとざわついてた。
岩井巧巳(橋本将生さん)が選んできた全部の行動が、最後のあの一言に集約された感じ。
「共犯です」って言葉が、守りたい気持ちそのものなのに、誰にも届かないのがつらい。
夏が終わるって、こういう温度なんだって思わされた。
巧巳(橋本将生さん)が選び続けた“澪のそば”
巧巳は、最初から強い人じゃなかった。
推しのアイドルと暮らす非現実の中で、澪の裏の人格に気づいても、拒絶しなかった。
怖さよりも、放っておけなさが勝ってしまう感じがリアル。
橋本将生さんの演技が、迷いと覚悟の両方をちゃんと滲ませてた。
共犯になることを選んだというより、離れられなかっただけなんだと思う。
眞希(恒松祐里さん)の願いと消え方
眞希が見たかったのは、ただの海と、ただの思い出。
「生まれ育った町の海を見たい」って願いが、あまりにもささやかで苦しい。
恒松祐里さんの眞希は、危ういのにどこか子どもっぽくて、目が離せなかった。
澪と初めて向き合って、役目を終えるように消えていく流れが静かすぎる。
存在していた証が、巧巳の記憶にしか残らないのが切ない。
塔堂(萩原聖人さん)が突きつけた現実
刑事の塔堂は、感情よりも事実を優先する人。
眞希の話を聞いても、寄り添いすぎない距離感が逆に怖い。
「一晩だけ時間をくれ」という眞希の願いを聞き入れたのも、ぎりぎりの判断。
萩原聖人さんの落ち着いた声が、物語を現実に引き戻す役割だった。
優しさがあるからこそ、最後の冷たさが残る。
警察での証言が一番つらかった理由
巧巳が「僕も共犯です」と名乗り出た場面、胸が詰まる。
守った証を差し出したのに、「関係ない」って返されるのが残酷。
澪が何も話していないから、巧巳の覚悟は存在しなかったことになる。
共犯になりたかったのに、共犯にすらしてもらえない。
橋本将生さんの表情が、言葉よりも多くを語ってた。
千種モナ(石川瑠華さん)が象徴する日常側
モナは、巧巳が戻る場所を象徴してる存在。
何も知らないからこそ、普通に心配して、普通に待ってる。
石川瑠華さんの柔らかさが、この物語の救いでもあり、残酷さでもあった。
巧巳が選んだ夏は、もう誰とも共有できない時間になったんだと思う。
まとめ
最終回は、誰も完全には救われない終わり方だった。
巧巳(橋本将生さん)は確かに“ひと夏の共犯者”だったのに、その事実だけが残らない。
眞希(恒松祐里さん)の存在も、夏の熱も、全部巧巳の中に沈んでいく。
きれいで、静かで、どうしようもなく切ないラスト。
この余韻こそが、このドラマの答えだった気がする。
(あやぴょん)

