「終のひと」第3話の感想|残された時間の重さが静かに刺さる回【ネタバレなし】

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第3話は、派手な出来事があるわけじゃないのに、見終わったあと胸の奥にずっと残るタイプの回だった。
人の最期って、亡くなった瞬間だけじゃなくて、その前の時間こそが物語なんだって、そっと教えられる感じ。

「簡素でいい」という言葉の裏にある温度差

孤独死した啓一郎(狩野謙さん)の葬儀を引き受けることになった嗣江(柿澤勇人さん)と梵(西山潤さん)。
息子の堤賢人(今野浩喜さん)が見せる態度があまりにも軽くて、正直、見てる側の感情もざわっとする。

遺産の話が先に出てきて、火葬だけでいいって言い切る姿、冷たいって思うのは簡単だけど、そこに至るまでの親子関係を想像すると、単純に責められない空気もあって。
あの場面の衝撃は忘れられない、って思うくらい、言葉より沈黙のほうが重たく感じた。

家に残っていたのは、思っていたのと違う人生

啓一郎の家で出会うホームヘルパーの本町香織(鄭亜美さん)。
彼女が語る晩年の様子が、これまで想像していた「孤独な老人像」と少しずつズレていくのが、すごく静かで、でも確実に心を揺らしてくる。

誰にも看取られずに亡くなった事実は変わらないのに、その前の時間にはちゃんと誰かとの関わりがあったんだって分かった瞬間、見えている世界が一気に立体的になる感じ。
まさかあの人物が…!っていう派手などんでん返しじゃないのに、価値観がひっくり返る衝撃があるのが、この回の怖さでもあり優しさでもあると思った。

梵の怒りが、だんだん別の感情に変わっていく

最初は賢人の態度に強く反発していた梵(西山潤さん)が、話を聞くうちに少しずつ言葉を選ぶようになっていく変化がすごく印象的。
感情的にぶつかるだけじゃなくて、相手の背景を知ったときに生まれる戸惑いが、そのまま表情に出てて、目が離せなかった。

怒りって、時々すごくまっすぐで正しいように見えるけど、別の真実を知った瞬間に形を変えてしまうんだなって、静かに突きつけられる感じがした。

嗣江の静かな寄り添い方が胸に残る

嗣江(柿澤勇人さん)は終始落ち着いていて、大きな言葉で何かを語るわけじゃないのに、そばにいるだけで場の空気が少し和らぐのが分かる。
正解を押しつけない距離感が、この仕事を続けてきた人の重みみたいで、すごく安心感があった。

誰かの人生の終わりに関わるって、きっと答えの出ないことの連続なんだろうなって思わせる存在感で、派手じゃないけど強く心に残る。

「知ってしまったあと」の感情がいちばんつらい

事実を知らなければ、怒ったままでいられたかもしれないし、何も考えずに済んだかもしれない。
でも、知ってしまったからこそ、簡単に割り切れなくなる、その感覚が第3話全体を通して流れていた気がする。

誰が悪い、で終われない話って、見てる側の心も整理がつかなくて、それがそのまま余韻として残る。
静かだけど、確実に深いところに触れてくる回で、後から何度も思い出してしまうタイプの回だったなって思う。