最終話、胸をぎゅっと掴まれる展開だった。
カヲル（ラウール）が愛実（木村文乃）に宛てた手紙は、稚拙で不器用なのに、誰よりも誠実でまっすぐ。
「漢字が書けなくてよかったよ」って一文が、笑顔と涙を同時に連れてきた。
文字の上達の跡や消しゴムの跡まで全部、物語の積み重ね。
SNSでも「字の変化に泣いた」「努力が見えた」と多くの声が寄せられていたのも納得だった。
試験に落ちたカヲルの葛藤
カヲル（ラウール）は「もし落ちたら先生と別れる」と覚悟して受けた専門学校の入試で不合格に。
夢を断たれたような失望に飲み込まれ、愛実（木村文乃）を拒絶するしかできなかった。
不器用に距離を取る彼の背中は痛々しく、見ているこちらも胸が締め付けられた。
頑張ったからこその悔しさ、未来を閉ざされたかのような絶望。
その一連の流れが、彼の手紙へとつながる大切な布石になっていた。
花火大会の夜に残した手紙
三浦海岸の花火大会の日、カヲル（ラウール）はかつて愛実（木村文乃）と訪れた食堂へ。
店員の絹江（黒沢あすか）に託した手紙は、漢字の書き直し跡が残るほど必死に綴られていた。
「漢字が書けてたら先生と付き合ってなかった」――その言葉は、彼らの出会いと愛情を象徴してた。
花火の光よりも鮮烈に、カヲルの思いが文字から溢れ出していた。
不器用さそのものが、最高の誠意に変わっていた。
文字の成長が描いた愛
第1話の頃は文字を書くことにさえ苦戦していたカヲル（ラウール）。
それが最終話では「嘘」「漢」みたいな難しい漢字に挑み、消しゴムで直しながらも書き切った。
努力の跡がくっきり残った文字は、上手い下手を超えて、愛実（木村文乃）への気持ちそのもの。
文字の上達が、彼の歩んできた時間と愛情の証拠になっていた。
書くこと自体が愛を語る瞬間として描かれていて、胸が熱くなった。
絹江がつなぐ優しい時間
食堂の店員・絹江（黒沢あすか）が果たした役割も大きかった。
彼女が手紙を預かることで、カヲル（ラウール）の想いが愛実（木村文乃）に届く。
絹江の静かな存在感が、物語のラストをやさしく支えていた。
花火の夜に描かれたこの三人の関わりが、物語に温かな余韻を残していた。
小さな立ち位置なのに、とても大切な架け橋だった。
まとめ
『愛の、がっこう。』最終話は、ラブストーリーでありながら、文字の力を改めて感じさせてくれた。
カヲル（ラウール）の不器用で誠実な文字と、愛実（木村文乃）の温かなまなざし。
絹江（黒沢あすか）の存在も二人を優しくつなげていた。
「字は心を映す」という言葉がぴったりのラストで、涙と共に深い余韻を残した。
ただの手紙じゃなく、二人が積み重ねた愛の証だった。
（みかんてぃ）
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