ばけばけ 第35回 感想文(ネタバレがあります)― 秘密が崩れ落ちる瞬間と、家族の視線が胸に刺さる濃密回

本ページはプロモーションが含まれています

“隠し続けてきたもの”がついに崩壊する回

第35回は、これまでトキ(髙石あかり)が必死に守ってきた秘密が、一度に明るみに出てしまう緊張感あふれる展開でした。
ヘブン(トミー・バストウ)の女中であること、さらに物乞いとなったタエ(北川景子)と再会していたこと――
どれもトキにとっては“守りたい人のための沈黙”でしたが、家族に知られてしまったことで、ついに向き合わざるを得なくなります。

そして問い詰めようとする家族の前に三之丞(板垣李光人)が訪れ、トキが隠してきた全ての秘密が暴かれていく……
この流れは感情の逃げ場がなく、観ていて胸が締め付けられました。

良かったこと

トキの“守りたい気持ち”が痛いほど伝わる構成

ヘブンへの忠誠、タエへの憐れみと過去への想い。
トキが黙っていた理由は決して裏切りではなく、誰かのための“優しさ”と“義理”。
それが家族には誤解されてしまうという構造が、彼女の健気さと孤独を浮き彫りにしていました。

特に、タエの姿を家族が知るくだりは、
「どうして隠したの?」という家族の気持ちと、
「言えなかった…言えばもっと傷が増えると思った…」というトキの気持ちが葛藤し、非常に丁寧な人間描写でした。

三之丞の登場が“物語の崩壊点”として抜群

三之丞は物語の“風穴”のような存在で、
彼が松野家に足を踏み入れた瞬間、空気が一変します。
静かな緊張が走り、トキの秘密が次々と露わになっていく流れは、舞台劇のような迫力と完成度がありました。

家族それぞれの反応がリアル

司之介、フミ、勘右衛門――立場も価値観も違う家族それぞれが、
怒り・困惑・心配という異なる感情を見せることで、単なる“暴露回”ではなく、
松野家の関係性や愛情の深さも伝わったのが素晴らしかったです。

気になった・もう少し欲しかった部分

トキとタエの関係描写を少し深掘りしたかった

トキがなぜそこまでタエを気にかけるのか、
過去のエピソードがもう少し丁寧に回想されると、
今回の“秘密の重さ”がさらに響いた気もします。

三之丞の動機や意図が薄めに感じた箇所も

彼がこのタイミングで訪れた理由は物語上大事ですが、
もう一歩踏み込んだ“心の揺れ”があるとさらに印象的になったと思います。

感想まとめ

第35回は、シリーズでも屈指の濃密回でした。
“秘密が家族に露見する”というシンプルな構図ながら、
その裏にある人の優しさ・弱さ・誤解・愛情が複雑に入り混じり、
心に刺さるエピソードとなっています。

トキという少女の“優しさゆえの嘘”が、どれほど重くのしかかっていたのか。
そしてそれが明るみになった今、彼女はどう変わるのか。
次につながる余韻が非常に強い回でした。

今後への期待と考察

・家族がトキの行動をどう受け止めるか
・タエの存在がこの先どんな波紋を広げるか
・三之丞の真意と役割
この3点が物語を大きく動かす鍵になりそうです。

“ばればれ”ではなく“ばけばけ”というタイトルの意味が、
物語が進むにつれて皮肉にも深く突き刺さるように感じます。

第35回は、次回への緊張と期待が高まる非常に重要なエピソードでした。
(あいちゃん)

「ばけばけ」の関連グッズを楽天ブックスで探す
「ばけばけ」の関連グッズをAmazonで探す