『ばけばけ』第63回、再会が優しくて切なくて情報量多すぎる回(感想)(ネタバレがあります)

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第63回、朝から感情の置き場に困る回だった。
トキ(高石あかりさん)が赤い口紅を塗っては拭き取る仕草だけで、緊張も期待も全部伝わってくる。
そこに現れた銀二郎(寛一郎さん)が、昔とはまるで違う姿だったのも胸にくる。
再会の瞬間って、嬉しさだけじゃなくて、過ぎた時間の重さも一緒に来るんだなって思わされた。

トキ(高石あかりさん)と銀二郎(寛一郎さん)の再会が静かに刺さる

久しぶりに向き合った二人の会話は、どこかぎこちなくて距離感が絶妙。
「一段とおきれいになられて…」なんて言葉が、丁寧すぎて逆に他人行儀。
銀二郎の背筋が伸びたスーツ姿が、彼が歩いてきた時間を全部物語ってた。
松野家からの野次で空気が少し和らぐのも、この作品らしい。
元夫婦なのに、また最初から歩き出すみたいな雰囲気があって、見てる側も息をひそめた。

思い出の月照寺で戻ってくる空気

フミ(池脇千鶴さん)の助言で向かった月照寺。
ここから少しずつ、二人の間の温度が変わっていく。
怪談が好きなところも、ふとした優しさも、銀二郎は何も変わってない。
見た目は変わっても、中身はそのままという事実が、逆に切ない。
並んで歩く後ろ姿が、過去と現在を同時に映してるみたいだった。

一方その頃のヘブンたちの穏やかな時間

場面が変わって、花田旅館でのお茶会。
ヘブン(トミー・バストウさん)とイライザ(シャーロット・ケイト・フォックスさん)、そこに錦織(吉沢亮さん)が合流する流れが自然。
イライザの明るさが、その場の空気を一気に柔らかくする。
「あなたの名前、手紙にあったわよ」って言われた錦織の表情、分かりやすすぎて逆に愛しい。
ぎこちなさが残っていても、信頼だけはちゃんと続いてる関係性が見えた。

ヘブンとイライザの関係性が深すぎる

イライザが新聞社に入った理由、ヘブンが日本に残った理由。
お互いの人生に、ちゃんと影響を与え合ってきた二人なんだと分かる。
恋とも友情とも言い切れない、でも確実に特別な存在。
この関係性をあっさり説明しないところが、このドラマの好きな部分。
だからこそ、聞いてる側の錦織の気持ちを考えると胸がきゅっとなる。

イライザの一言で一気に現実になる別れの予感

「書き終えたら、彼はここを離れるから」
この一言の破壊力がすごかった。
錦織がずっと心の奥で恐れてたことが、急に現実味を帯びる。
イライザは明るく話してるのに、空気が一気に変わるのが分かる。
穏やかな時間ほど、終わりの気配が近づくと苦しくなる。

思いがけない“大亀”での遭遇

銀二郎の「一緒に見たかったんだ」という言葉とともに向かった“大亀”。
そこにいたのが、ヘブン、イライザ、錦織の三人。
偶然が重なりすぎて、画面の緊張感が一気に跳ね上がる。
トキの表情が曇る瞬間が、あまりにも分かりやすくて痛い。
交差する視線だけで、関係性が大きく動き出したのが伝わってきた。

まとめ

第63回は、再会と別れの予感が同時に押し寄せる回だった。
トキ(高石あかりさん)と銀二郎(寛一郎さん)の空気感は、静かなのにずっと心に残る。
ヘブン、イライザ、錦織の関係も、ただの脇筋じゃなく物語の芯に触れてきてる。
四人が出会ってしまったことで、これから何が変わるのか分からない不安がある。
でもその不安ごと、このドラマを見続けたくなる。
(ゆめのん)