晩酌の流儀4 〜秋冬編〜 第5話 感想文(ネタバレがあります)― ハロウィンの“お化け屋敷”と変わらぬ晩酌の夜

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仮装と“霊気”が張り巡らす異空間

今回は、ハロウィンを舞台に、栗山千明さん演じる美幸がいつもの“晩酌前ルーティン”から少し外れた夜を迎えます。スーパー「ツルマートプチ」の店員牛場と店長珍山が、撮影部屋探しという名目で訪ねてきたことで、物件探しという非日常な任務が“霊感”をキーワードに一気に怪しげな展開に。仮装という華やかさと、霊を感じるという静かな恐怖が、晩酌前のひとときをいつもとは違う深みへと導いていました。

良かったこと

日常に潜む“非日常”が巧みに演出されている

美幸が普段、晩酌を美味しくするために整える一日のラスト。その“整え”が仮装パーティーという華やかな場面から、霊の気配を感じ取るという異質な空気に移っていく流れが面白かったです。特に、珍山が「この部屋、どこも霊の気配がする」と言い出してから、牛場の尻込みと美幸の違和感の対比が緊張を生み、「部屋探し」という平凡にも見える行動が、まるでホラー映画のような緊張を孕んでいました。

晩酌ドラマとしての“軸”がぶれていない点

いくら仮装や霊の話が出てきても、この作品が根底に「いかに晩酌をおいしくするか」を追求している点がしっかりと保たれていました。美幸の仕事・部屋探し・仮装というトーンチェンジの中にも、「何を準備して、どの瞬間に美味しい一杯を飲むか」というテーマが静かに存在していて、変化のある回でありながらもブレていないのが印象的でした。

気になった・もう少し欲しかった部分

霊の気配の描写がもう少し具体的だと良かった

「どの部屋にも霊の気配がする」と言われても、視聴者としてその霊の存在や恐れのリアリティが少し抽象的に感じられました。例えば、照明が揺れる、音が聞こえる、というような具体的な演出があると、牛場の怖がり方・美幸の違和感の重みがもっと増したと思います。

仮装シーンと晩酌モチベーションのつながりが弱めに感じた

ハロウィン仮装はエピソードとして華がありましたが、仮装と「晩酌の準備を整える」というテーマがもっと有機的につながると、ドラマとしての一体感が高まったのではと思いました。たとえば「この仮装だからこのお酒、この部屋だからこのつまみ」という明確な導線があれば、視聴者も一緒に晩酌を想像しやすかったです。

感想まとめ

第5話では、ハロウィンというお祭り気分の中に潜む“静かな恐怖”と、“晩酌を最高にするための準備”という二つの軸が並行して進みました。美幸がいつもの日常から少しだけ逸れ、部屋探しという非日常に巻き込まれていく様子は、「晩酌のための日常」が揺らぎ始める瞬間として興味深かったです。

また、牛場の「撮影に専念できる部屋がほしい」という願いには、今どきの“動画投稿・撮影”という現代的要素が加わっていて、晩酌ドラマというジャンルを少しだけ更新しているなと感じました。部屋探しを通じて「本当に落ち着ける場所」が晩酌には不可欠であるというメッセージも、日常生活において共感できるものでした。

今後への期待と考察

次回以降、私が注目したいのは以下の点です:

– 美幸がこの“部屋探し=晩酌環境の整備”というテーマをどう拡大させるか。新しい物件・新しい暮らし方の提案があるかどうか。
– 牛場と珍山というスーパー勤務者の関係や、撮影部屋という“副業”視点がどう物語に絡んでくるか。晩酌ドラマとしての枠を超えていけるか。
– 仮装・ハロウィンというイベントに続いて、季節・行事色がどう料理・酒・暮らしにリンクしていくか。「秋冬編」ならではの晩酌準備が見られそうです。
– 最後に、晩酌を“最高にするための条件”というテーマが、どんな方向で深化するのか。今回少し外れた視点から始まった分、次回は“戻ってくる安心”を感じさせてくれると嬉しいです。

このドラマは、「ただ晩酌を楽しむ」だけではなく、「晩酌をおいしくするために暮らしを整える」というライフスタイルの提案でもあります。第5話は、その提案が思いがけない形で揺さぶられた回でした。次回も楽しみにしています。
(あいちゃん)

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