第47回、手のひらの上で転がされるみたいな展開で、息を飲む瞬間がいくつもあった。
蔦重(横浜流星さん)の策が形になるまでの静けさと鋭さ、どちらも強すぎて鼓動が速くなる。
人を斬らずに復讐を果たすって美しすぎるし、背中がぞくっとするくらい粋。
噂通りの大河の終盤に相応しい濃さで、終わった後もしばらく余韻が残ってた。
毒まんじゅうで始まる緊張、計画はもう後戻りできない
定信(井上祐貴さん)や平蔵(中村隼人さん)の仇討ちは治済(生田斗真さん)に感づかれ、流れは一気に重くなる。
治済が仕込んだ毒まんじゅうで家斉(城桧吏さん)の乳母・大崎(映美くららさん)が亡くなるくだり、甘いはずのお菓子が刃物みたいに冷たい。
早鐘を打つような緊迫感が画面からあふれてきて、台詞一つ聞き逃す余裕もなかった。
人の悪意が菓子一つに詰まるとこんなにも怖くなるのかと思った回。
鏡写しみたいな2人、生田斗真さんの二役が強い
蔦重が町で見た“治済そっくりの男”、それが斎藤十郎兵衛(生田斗真さん・二役)。
平蔵(中村隼人さん)が偶然見つけたことから計画がさらに先へ進むの、偶然というより運命っぽい。
治済と瓜二つの顔が武器になるなんて、仇討ちの構図が一気に鮮やかになる。
影を作るように二人の存在が対になってて、見ているこっちも息継ぎを忘れるレベル。
そして茶室、静かさの中に伏せられた刃
蔦重の提案で家斉(城桧吏さん)も復讐に加わり、重好(落合モトキさん)の茶室で決行される。
治済は警戒して茶菓子を口にしないのに、家斉が代わりに全部平らげるあの強さ。
「飲め」と器を差し出す無言の圧と、治済が茶を飲み干した瞬間の笑み。
そこから家斉が崩れ落ちた時の空気、時間が止まったみたいに冷たくて怖かった。
治済が「もろともに?」と呟いた声が、心の奥で長く響く。
殺さず成敗、この美しさがたまらない
茶に入っていたのは睡眠薬。
十郎兵衛が城へ送り込まれ、治済は拘束され孤島へ。
命を奪わずに復讐を遂げるって、こんな綺麗な怒りの形があるんだって震えた。
SNSに「粋」「お見事」の声が溢れるの、本当にそのままの感想すぎた。
痛みを残さずに罪を返す、その優しさが逆に鋭く見えた。
まとめ
第47回は、静かに張り詰めた糸が最後に美しく弾ける回みたいだった。
蔦重(横浜流星さん)の狙いは復讐なのに、どこか温度のあるやり方で、心に残る余韻が優しい。
刃じゃなく知恵で返す仇討ちって、こんなにも気持ちいいものなんだなって知った。
壮大で粋、そして静かな勝利。次が怖くて楽しみ。
(こころん)

