第37回は、山東京伝(古川雄大さん)こと北尾政演の存在感が一気に爆発した回だった。
蔦重(横浜流星さん)が「これが才ってやつか…」と口にするくらい、彼の筆から生まれる物語は生き物みたいに動く。
なのに、その才が蔦重を怒らせる方向に転がるのが、なんとも皮肉。
見終わった後、胸の中で「善魂」と「悪魂」が自分でもケンカしてる気分になった。
戯作者の空席を埋めた政演の一撃
喜三二(尾美としのりさん)や恋川春町(岡山天音さん)が去ってしまい、耕書堂に戯作者がいなくなる。
そこで白羽の矢が立ったのが北尾政演(古川雄大さん)。
ちゅうちょしつつも山東京伝の名で書き上げた洒落本「傾城買四十八手」は、まさに江戸の空気をそのまま閉じ込めた一冊だった。
女郎も客も動き出しそうで、耕書堂の面々も胸を打たれる完成度。
蔦重(横浜流星さん)が心の奥からうめくように「才ってやつか…」とつぶやくのも当然。
この瞬間、政演の名は一気に江戸の町へ広がったように見えた。
鶴屋が持ち込んだ“もう一つの本”
新年早々、鶴屋(風間俊介さん)がやって来て、差し出したのは「心学早染草」。
同じ山東京伝の名で、別の本屋から出たその本は、松平定信(井上祐貴さん)の倹約や正直を見事にエンタメ化。
蔦重が最も対抗したい相手を持ち上げてしまう内容だった。
「面白いけど、これは違う」――葛藤がにじみ出る蔦重の怒りは、嫉妬よりも信念を揺さぶられた苦しさに近い。
政演の才能を認めながらも、その行き先が敵陣を輝かせるのはやりきれない。
蔦重(横浜流星さん)の中で善魂と悪魂がせめぎ合う姿と重なって、息苦しい空気が広がった。
“善玉”“悪玉”の語源だった驚き
「心学早染草」の物語は、一人の男の体の中で善魂と悪魂が戦うというもの。
最終的に善魂が勝利し、男は善人となるシンプルな構造。
けれどこの善魂と悪魂が、現代でも日常的に使う“善玉”“悪玉”の語源だと知って、思わず固まった。
SNSでも「知らなかった」「衝撃!」と驚きの声が続出。
歴史の中で生まれた表現が、今も生き続けている証であり、江戸文化の底力を改めて思い知らされる。
ただの教訓話では終わらず、数百年先まで届く言葉になるって、やっぱりすごい。
政演の決別と蔦重の迷い
政演(古川雄大さん)は「もう蔦重のところでは書かない」と突き放す。
「面白いことこそ黄表紙には大事」と強く言い放つ姿は、町人としての矜持もにじませる。
一方の蔦重(横浜流星さん)は、かつては同じように“面白い”を命のように大事にしていたはず。
その心が政道や権力に揺さぶられ、いつしか善魂と悪魂に分裂している。
本来なら肩を並べて未来を描けるはずの二人。
けれど才能の炎が別々の方向へ燃え始めるのを止められないのが切ない。
まとめ
第37回は、蔦重(横浜流星さん)の信念と山東京伝(古川雄大さん)の才能が激しくぶつかった回。
「傾城買四十八手」で見せた生気と、「心学早染草」に潜んでいた歴史的功績。
面白さゆえに生まれる怒りと悲しみが交錯し、まさに魂の綱引きだった。
善魂と悪魂という言葉のルーツに触れた瞬間、自分の中にも二つの声があることに気づかされる。
次に二人が交わす言葉は和解か、それとも決裂か――物語の続きが待ち遠しい。
(ゆめのん)
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