第43回、恋も信頼も権力もごちゃっと絡んで揺れ動く感じが強烈で、心がじわじわ締め付けられた。
歌麿(染谷将太さん)が蔦重(横浜流星さん)を突き放す場面と、定信(井上祐貴さん)が静かに壊れていく流れが重なって、画面がずっと緊張してた。
時代劇なのに、感情の刺し方が妙にリアルで胸が熱くなる回だった。
歌麿(染谷将太さん)の「組まない」宣言が蔦重(横浜流星さん)に落とした影
「蔦重とは、もう組まない」
歌麿(染谷将太さん)がその一言を放った瞬間の空気、めちゃくちゃ鋭かった。
ずっとお互いの才能を引き出してきたのに、その関係がぷつりと切れる音が聞こえるみたいでつらい。
蔦重(横浜流星さん)は表では平静を装ってても、目の奥だけ揺れてる感じ。
あの2人の信頼って江戸の文化そのものの推進力だったから、別れ際の冷たさが余計に沁みる。
仕事の縁って、切れ方が静かだと余計に痛い。
松平定信(井上祐貴さん)、幕府の中心から一気に落とされる瞬間が残酷すぎた
家斉(城桧吏さん)の後見として政を支えてきた定信(井上祐貴さん)。
その彼が「政には興が湧かぬ」とこぼす将軍の本音に触れたところから、すべてがゆっくり、でも確実に崩れ始める。
大老就任を宗睦(榎木孝明さん)に頼む姿は必死で、その必死さが切なかった。
でも、その思いは治済(生田斗真さん)の思惑に絡め取られて、全部ひっくり返る。
「政には関わらず、ゆるりと休むがよい」
その一言だけで、定信の未来が音もなく閉ざされるのが怖かった。
布団に突っ伏す定信の絶望が“本気で痛い”レベルで刺さる
退室後、定信が布団に顔を埋めて叫ぶ。
「私ではないか!嫌がられようとも、煙たがられようとも、やるべきことをやりとおしたのは私ではないか」
この嘆き方が、生々しいほどの悔しさそのもので見てられない。
そして吐き捨てるみたいな
「クズどもが…地獄へ…地獄へ落ちるがよい」
このセリフの温度が一気に下がる感じが、井上祐貴さんの演技力のえぐさ。
視聴者が「すごっ」「こわ…」とざわつくのも納得。
第36回でも同じ部屋で倒れ込んだ定信がいたけど、今回の壊れ方は別次元だった。
治済(生田斗真さん)の“能面の笑み”が示す伏線の深さ
治済がずらりと能面を並べ、1枚目の「泥真蛇」にはしっくりこない表情。
でも「俊寛」を手に取った瞬間だけ、ふっと笑う。
この静かな笑みがすごく不気味で、意味深すぎる。
俊寛=島流し=定信の失脚、って繋がりを連想させるあたり、治済がすでに物語の盤面を全部見えてる人に見える。
“陰謀”の気配が画面越しにでも重たく感じた。
蔦重(横浜流星さん)の周りの空気も変わっていく気配がじわじわ
歌麿(染谷将太さん)との関係も変わり、周囲の流れも少しずつ揺れてる。
蔦重って人の才能を引き出す天才なのに、彼自身が孤独と衝突に飲まれていく場面も増えてきて、胸がざわっとする。
てい(橋本愛さん)の存在が救いみたいに柔らかいのに、江戸全体の渦が大きくて、夫婦の平穏もずっと続く保証がない。
このドラマ、華やかさの裏にあるヒリヒリした現実がずっとついてきて怖い。
定信の物語はまだ終わらない気配が強すぎる
失脚した定信の前に現れたのは、高岳(冨永愛さん)。
手渡されたのは、暗殺に使われたとされる手袋。
これ、完全に“まだ何か動く”予兆。
幕府の奥の奥で、さらに暗い策が渦巻いてるのがわかるし、定信の闘いはここから別の形で続くんだろうなって空気が漂ってる。
静かな余韻なのに、不穏さだけが濃く残るラストだった。
まとめ
第43回は、蔦重(横浜流星さん)と歌麿(染谷将太さん)の関係が揺れたのと同時に、定信(井上祐貴さん)の人生が一気に崩れ落ちる衝撃回だった。
江戸の空気が華やかで明るいのに、その裏側で動く権力の影が濃くて、息が詰まりそうなほど緊張感が強い。
治済(生田斗真さん)の微笑みひとつで“何か仕掛けてる”とわかる描写が強烈すぎて、次回への不安が止まらない。
時代劇なのに、こんなに感情が生々しく刺さるのほんとすごい。
(ゆめのん)

