『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第41回、母と息子がやっと心を通わせた瞬間に涙止まらない(感想)(ネタバレがあります)

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第41回は、物語全体の温度がふっと変わった回だった。
蔦重(横浜流星さん)が母・つよ(高岡早紀さん)に向けて初めて「おっかさん」と呼ぶ。
その一言だけで、ここまでの40話分の時間が報われた気がした。
吉原で育ち、誰より強く、誰よりも人の痛みをわかるようになった蔦重が、やっと自分の原点に触れた。
画面の奥に、静かな愛が確かにあった。

母・つよ(高岡早紀さん)という“強さと優しさ”の象徴

これまでずっと“ちゃっかり者の母”として描かれてきたつよ(高岡早紀さん)。
でも今回、その裏にあった「子を守るための嘘」が明かされた瞬間、空気が変わった。
借金から逃げるしかなかった父と母が、蔦重(横浜流星さん)を守るために“悪者”を演じたなんて。
涙の理由が悲しみじゃなく誇りに変わるのを感じた。
つよの「強くなりすぎると、人の痛みに鈍くなるんだよ」という言葉、時代を超えて響く。
母として生き抜いた女の人生、その静かな重みが心に残った。

歌麿(染谷将太さん)との心の交流があたたかい

歌麿(染谷将太さん)が妻を亡くして沈む中、そっと寄り添ったのもつよ(高岡早紀さん)だった。
「遠慮してんじゃないよ、おっかさんの前で」っていうセリフ、あの優しい笑顔で言われたら誰だって泣く。
実の母に愛されなかった歌麿が、初めて“おっかさん”と呼べたあの瞬間。
見ているこっちも胸がじんわり温かくなる。
つよが“血の繋がりを超えて人を包む”存在になっているのが、本当に素敵だった。
人の心のほつれを直すような優しさが、このドラマの魅力そのもの。

蔦重(横浜流星さん)の「おっかさん」に込められた想い

旅支度をする蔦重に、つよが「髷を結い直してやる」と言うシーン。
あの一瞬、時が止まったように見えた。
親に髪を結ってもらうこと、それが蔦重にとって初めての“家族の時間”だった。
そして「行ってくらぁ」の後に咳払いしてからの「おっかさん」。
あの間(ま)が、これまでの距離の長さを全部語ってた。
高岡早紀さんの「重三郎」と返す声が、やさしくて、懐かしくて、息を飲んだ。
言葉よりも静かな絆、それが見える名場面だった。

脚本・演出の繊細さが光る回

森下佳子さんの脚本が、感情の波を見事にコントロールしてた。
説明ではなく“沈黙”で語る余白の多さが美しい。
高岡早紀さんの演技は、言葉を超えて母性そのもの。
横浜流星さんの蔦重が、初めて子どもらしい顔を見せた時、役者としての幅を感じた。
染谷将太さんの存在も、物語の温度を支える絶妙な位置にいる。
この回は“強さの定義”を問い直す回だった気がする。

つよの頭痛描写に漂う不穏な気配

ただ、幸せの余韻の中にちらつく不安もあった。
つよが何度も頭を押さえるシーン、あれは確実に伏線。
「退場フラグでは…」という声がSNSで出ていたけど、それだけ愛されてる証拠。
母として、女として、生き抜いてきた彼女の物語がここで終わらないでほしい。
このドラマにとって、つよは“命の灯”みたいな存在だから。
次回が怖くもあり、待ち遠しくもある。

まとめ

第41回は、“母と息子”の物語として完璧だった。
つよ(高岡早紀さん)の真実の愛が明かされ、蔦重(横浜流星さん)の心にやっと温もりが戻った。
歌麿(染谷将太さん)との絆も重なって、全ての登場人物が“誰かを想う強さ”で繋がっていた。
涙が出るのに、なぜか優しい気持ちになる。
これが大河の醍醐味なんだと感じる回だった。
(ゆめのん)

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