第47回、静かな回なのに感情の振れ幅がすごかった。
蔦屋重三郎(横浜流星さん)の店に、松平定信(井上祐貴さん)がふらっと現れるだけの場面なのに、空気が一気にあたたかくなる。
これまでの緊張感とか因縁とかを全部知ってるからこそ、あの笑顔が効く。
歴史ドラマなのに、感覚はわりと今っぽくて、妙に距離が近い。
気づいたら胸の奥がじわっとしてた。
のれんをくぐった瞬間の定信(井上祐貴さん)の表情
店に入った瞬間の定信、目がきらっとしてて完全に素。
きょろきょろ店内を見る姿が、もう偉い人のそれじゃない。
蔦重(横浜流星さん)が「今日は、いかなるご用向きで」って警戒するのも分かる。
でも定信は「国元へ下るのでな」って、さらっと言う。
この軽さと、その裏にある覚悟の重さのギャップが強い。
黄表紙を抱え込む姿が完全にガチ勢
昔の黄表紙を手に取って、「今さら売れるのか?」って聞く定信。
蔦重が江戸以外では流行ってると説明してる間に、どんどん冊子を抱え込むのが面白い。
立場とか全部忘れて、ただの読者になってる感じ。
黄表紙を前にしたときの定信(井上祐貴さん)、顔が完全にオタク。
この時点で、もう憎めなさが勝つ。
挟み言葉で明かされた本音
突然の「いキちキどコきキてケみキたカかカったカのコだカ」。
一瞬ぽかんとするけど、蔦重が理解した瞬間こっちもハッとする。
「一度来てみたかったのだ」って、わざわざ挟み言葉で言うのが最高。
恋川春町(岡山天音さん)の黄表紙に出てきた遊びを、今も覚えてるのがエモすぎる。
定信の中で、文化がちゃんと生き続けてたんだなって分かる。
春町への後悔と、オタク全開の告白
「春町は我が神、蔦屋耕書堂は神々の集う神殿」。
この表現、強すぎる。
厳格な政治家の口から出てくるとは思えない語彙。
でもそれだけ、春町の死を悔いてるのも伝わる。
自分の政が招いた結果を、ちゃんと自分で背負ってる定信(井上祐貴さん)が印象的だった。
蔦重(横浜流星さん)の供養という答え
写楽を売り出した理由を「春町先生への供養」と語る蔦重。
自分も凧を上げさせた一人だと認めるところが、蔦重らしい。
誰かを責めるんじゃなくて、自分の役割を引き受ける姿勢。
定信と蔦重が、この場で同じ方向を向いた感じがして胸が熱くなる。
「ご一緒できて、ようございました」の一言が、すごく深い。
最後に明かされる“楽翁”という未来
このあと定信が「楽翁」と名乗り、文化を愛する人物として歴史に残るという語り。
今回の一連のシーンが、その伏線だったんだって納得する。
厳しさも、オタク気質も、どっちも本物。
だからこそ、印象がひっくり返るキャラになったんだと思う。
最初は苦手だったのに、気づいたら好きになってる不思議。
まとめ
第47回は、定信という人物の核心に触れた回だった。
松平定信(井上祐貴さん)のオタク全開な言葉と、真面目すぎる後悔が同時に押し寄せる。
それを受け止める蔦重(横浜流星さん)の懐の深さも光ってた。
歴史の一場面なのに、感情はすごく近い。
見終わったあと、「定信、好きだわ…」ってなる人が続出するのも納得だった。
(ゆめのん)

