第1話、ふわっとした笑いとチクリと刺す現実が絶妙だった。
波多野玄一(及川光博さん)と作田索(手越祐也さん)、まったく違う2人なのに、どこか似てる。
ひとりで生きる強さと、誰かを求める弱さが交互に顔を出す感じ。
見終わったあと、静かにあたたかい気持ちが残るドラマだった。
玄一(及川光博さん)の“ゆるくて切ない日常”が愛おしい
動物飼育員の玄一(及川光博さん)は、老犬2匹と亀1匹と暮らす50歳。
縁側でアイスを食べるシーン、なんでもないのに妙にリアルで可愛い。
3口でギブアップするあたり、人生の“味わい深さ”を感じる。
でもそのゆるい時間の中に、ぽつんとした孤独がにじむ。
「誰かと食べたい」って小さくつぶやく声が、心に刺さる。
ミッチーの穏やかな芝居、飾り気がなくて本当に自然。
“寂しさを笑いに変える人”って、こんなふうに生きてるんだなって思った。
索(手越祐也さん)の冷めた目の奥にある、燃え残り
作田索(手越祐也さん)は中学校の教師。
受理されない婚姻届を握りしめて、「意味ないよね」とつぶやく姿が切なすぎた。
誰からも祝福されない関係を続ける苦しさ、静かに伝わってきた。
“きらびやかな手越くん”を完全に封印して、地味で不器用な男を演じるのがすごい。
黒髪も、飾り気のない服も、現実の重さとよく合ってた。
「恋も人生も冷めきった」って言うけど、その中にまだ温度が残ってるのが見える。
その温度に、玄一(及川光博さん)がちゃんと気づいてくれるのが嬉しい。
“恋と革命です”――太宰の言葉が人生を動かす
パートナー相談所の百瀬(渋谷凪咲さん)が言った「恋と革命です」。
たった一言なのに、玄一(及川光博さん)の心を再起動させた。
“太宰治の言葉”って聞くとちょっと重そうなのに、このドラマの中では軽やかに響く。
誰かを愛すること、何かに逆らうこと、どっちも生きる力なんだって思わせてくれる。
玄一が久しぶりに笑顔で未来を想像するシーン、あの静けさが良かった。
恋が特別なことじゃなく、日常の中にそっと差し込む希望みたいに描かれてて心地いい。
ほたる(白鳥玉季さん)の登場で一気に風が変わる
終盤で現れた楠ほたる(白鳥玉季さん)の「3000万円あります。あなたを買います」。
このセリフ、唐突すぎて笑ったけど、そこに込められた真剣さがリアル。
お金で“家”を買うんじゃなくて、“居場所”を買いたいってことなんだと思う。
玄一(及川光博さん)と索(手越祐也さん)、そしてほたる――この3人の奇妙な関係が、これからどう混ざっていくのか楽しみ。
それぞれが“社会のすみっこ”で生きてるのに、一緒にいるとちょっとだけ光が差す。
こういう不器用な人たちの物語、すごく好き。
“重くないのに深い”会話が心をじんわり満たす
「ぼくたちん家」は、テーマが重そうなのに、全然説教くさくない。
どの会話も自然で、笑えるのに少し胸に刺さる。
玄一(及川光博さん)のまったりした言葉と、索(手越祐也さん)の乾いた返しのバランスが絶妙。
それぞれの孤独を“理解しようとする優しさ”がちゃんと描かれてた。
SNSでも「重くないのに泣けた」「優しさが沁みた」って感想が多くて納得。
こういう静かなドラマ、もっと増えてほしい。
まとめ
第1話は、孤独な3人が出会って“居場所”の予感を見つける物語だった。
波多野玄一(及川光博さん)のユーモアと、作田索(手越祐也さん)の静かな哀しさが溶け合って、優しい時間が流れてた。
白鳥玉季さんのまっすぐな存在感も、空気をやわらかくしてくれた。
笑えて泣けて、ちょっと勇気をもらえる。
恋も革命も、たぶんこういう小さな一歩から始まる。
(りりたん)