『ぼくたちん家』第2話、“ししゃも爆弾”に込められた優しさが泣けた(感想)(ネタバレがあります)

本ページはプロモーションが含まれています

第2話、心がじんわり温かくなって、でも同時に痛くもなる回だった。
波多野玄一(及川光博さん)の優しさと、楠ほたる(白鳥玉季さん)の真っ直ぐさが静かにぶつかり合う。
“父親のふり”っていう設定なのに、気づけば本物の親子みたいに見えてくる不思議。
笑いも涙もちゃんとあるけど、どこか現実のやさしさを教えてくれる話だった。

3000万円と“親子契約書”から始まる奇妙な関係

玄一(及川光博さん)は、恋にちょっと疲れた50歳のゲイ。
ペットだらけの暮らしの中で、ふと出会った中学生・ほたる(白鳥玉季さん)に「あなたを買います」と言われる。
スーツケースに詰まった3000万円、そして親子契約書。
最初は冗談みたいな流れだけど、ほたるの目には切実さがにじんでた。
家族がバラバラになっても、大人を信じたい気持ちがそこにある。
玄一が「お金はいらない」と断った瞬間、このドラマの優しさがはっきり形になった気がした。

“父親のふり”が生んだほんとの絆

警察との面談に備えて、玄一が父親のふりをするシーン。
ただの演技じゃなくて、ほたるのことを守ろうとする本気の優しさが滲んでた。
不器用だけど、ちゃんと見てくれる大人。
ほたるが「ゲイなのに子どもいる設定とか大丈夫なんですか?」って聞いた時の、玄一の穏やかな返しが印象的だった。
「女性と結婚してる人もいるし」──世間の偏見をやわらかく包み込むような答え。
その瞬間、彼の過去の痛みと、今の強さが重なって見えた。

玄一(及川光博さん)が語った“断らなかったら”の後悔

「ピチピチのタンクトップ着て、オネエ言葉でしゃべれって言われたんだ」
玄一(及川光博さん)の過去を語る言葉が静かで重かった。
ゲイだからという理由で、才能より“話題性”を求められた現実。
それでも彼は断って、自分を守った。
でも、その選択の裏には、きっと苦い後悔もあったんだと思う。
「断らなかったら、プロになれたかもね」って笑う声が少し震えてた。
そんな彼の過去を、ほたるはちゃんと受け止めてくれたのが救いだった。

“ししゃも爆弾”が意味するもの

玄一がししゃもを焼いてる横で、ほたるが真顔で言う。
「そんなこと言ったやつに送りつけてやりましょ。ししゃも爆弾。」
冗談っぽく見えるけど、本気で怒ってくれてるのが伝わる。
“酷いことだって、それくらい私にもわかります”──この一言で泣いた。
大人が抱えた痛みに、子どもが共感してくれるなんて、こんなに優しい復讐ある?
ししゃも爆弾は、笑えるのに泣ける最高の比喩だった。

SNSで広がる“ぼくたちん家”の温度

放送後、Xでは「ボロボロ泣いた」「ししゃも爆弾が優しすぎる」「ほたるちゃん幸せになって」などの声が止まらなかった。
“家族”って血のつながりじゃなくて、気持ちのつながりなんだって思わせてくれるドラマ。
玄一もほたるも、そして索(手越祐也さん)も、それぞれ孤独を抱えてるのに、少しずつ寄り添っていく。
見終わったあと、誰かに優しくしたくなる感じ。
このドラマ、静かに心を洗ってくれる。

まとめ

第2話は、“本当の家族って何か”を問うような回だった。
玄一(及川光博さん)のやさしさも、ほたる(白鳥玉季さん)のまっすぐさも、全部が痛いほどあたたかい。
「ししゃも爆弾」っていう言葉が、これからもきっと心に残る。
笑いながら泣けて、泣きながら笑える。
『ぼくたちん家』の家族のかたちは、まだ始まったばかり。
(ほのりん)