バズりの裏側にある“罠”と“孤独”が一気に表面化
第5話は、加菜子(与田祐希)がこれまで以上に危ない橋を渡り始めた、非常にスリリングな回でした。
人気俳優・楠木(鈴木仁)とタレント・ami(新田さちか)のキス&薬物疑惑を告発したことで一気に“バズった”加菜子。
しかし、その注目が高まれば高まるほど、彼女自身の危険度も増していくという皮肉が際立っていました。
楠木が「情報を流した犯人は加菜子では?」と疑い、罠を仕掛けてくる展開は、物語の後半の不穏さを一気に押し上げます。
良かったこと
“ファンを演じる”加菜子の狂気が怖すぎる
楠木のファンだと信じ込ませるため、
渡辺(櫻井海音)の家で映画を観て予習する加菜子。
その必死さは「努力」ではなく「執着」に近く、
彼女がどれだけ“バズり”に取り憑かれているのかが明確に描かれていました。
渡辺が止めようとしても、
「めんどくさい」と突き放し、家を出る加菜子の冷たさは衝撃的。
“バズるためなら誰の気持ちもいらない”という歪んだ価値観が痛いほど伝わりました。
渡辺の必死さが切なく刺さる
加菜子が唯一“人として向き合ってくれる相手”が渡辺なのに、
その彼が本気で「行かないで」と引き止めても、
加菜子には届かない。
渡辺の純粋な想いと、加菜子の“数字だけを追う冷たさ”のコントラストが、
この回の感情的なアクセントになっていました。
破れかぶれで突っ走る加菜子を、
ただ心配し続ける渡辺の姿があまりにも切ない……。
楠木の“罠”がもたらすサスペンスの緊張感
楠木がただの人気俳優ではなく、
したたかで危険な人物であることが見えてきたのもこの回の大きなポイント。
「犯人は加菜子かもしれない」と睨み、
彼女を誘い出すような罠を仕掛ける描写は、
アイドル的なキラキラとは完全に異なる“闇の芸能界”の匂いを漂わせていました。
彼の笑顔の奥にある冷徹な計算が、不気味なほど静かに迫ってくる。
気になった・もっと見たかった部分
加菜子の“心の揺れ”がもう少し知りたい
この回の加菜子は完全に“バズりモンスター”として突っ走っていたため、
彼女の中にほんの少しでも残っている“不安”や“孤独”が垣間見えると、さらに深みが出たと思いました。
とはいえ、第6話以降でその危うさが爆発しそうな布石とも感じられます。
楠木の罠の具体性がもう一歩欲しかった
緊張感は高いものの、
「どういう罠なのか?」という詳細は少しぼかされていたため、
視聴者としてはさらにドキドキできるポイントになったと思います。
感想まとめ
第5話は、“バズる”ことへの執着がついに人間関係を壊し始めた回でした。
加菜子はバズり、注目され、フォロワーも増えた。
でもその裏で、
・渡辺との信頼は壊れ、
・楠木には疑われ、
・自分は危険な領域に足を踏み入れ、
完全に孤独へと向かっている。
「成功の影には破滅がある」
「バズり続けることは救いではなく呪い」
そんな作品のテーマが、
第5話でより強く浮かび上がってきました。
今後への期待と考察
・楠木の罠はどれほど危険なものなのか
・加菜子の暴走を止められるのは渡辺だけなのか
・amiとの関係、芸能界の闇がどう絡むのか
・“バズり続ける”ことの代償がどれほど重いのか
(あいちゃん)

