第4話は、まるで家庭の空気をそのまま切り取ったみたいだった。
あん(仲間由紀恵さん)と渉(北村有起哉さん)の車内の会話、静かなのに爆発音みたいな重さ。
優しさの顔をしたすれ違いって、こんなにも痛いのかって思った。
“ケーキを買って帰った夫”と“助けを求めていた妻”、たったそれだけの違いが地割れみたいに深く見えた。
車の中での会話、息が詰まるほどリアル
あん(仲間由紀恵さん)が切り出した「つらいけど俺は大丈夫だよ、みたいな優しい被害者面してるから」って言葉、鋭すぎた。
渉(北村有起哉さん)は「そんなつもりない」と言うけど、その“つもりない”がもう壁になってる。
言葉のすれ違いが重なって、車内の空気がどんどん狭くなる感じ。
どっちが悪いとかじゃなくて、どっちも苦しい。
そのリアルさが、フィクションを通り越して胸に刺さる。
「ホールケーキ事件」――優しさの方向がずれていく
子育てに追われて限界だったあんが助けを求めた日。
渉(北村有起哉さん)が並んで買ってきたのはホールケーキ。
あんが求めてたのはケーキじゃなく“手伝い”だったのに。
「私はもう一刻も早く助けてほしかったのよ」の叫びが、全国の母親の声みたいに響いた。
彼女の言葉には、愛も怒りも諦めも全部混ざってる。
それを聞いて「ごめん」としか言えない渉の顔が、静かに壊れていくのも見逃せない。
「ごめん」の一言が、余計に痛い
渉が「ごめん」と言った瞬間、あんの怒りがさらに燃え上がる。
ただ謝るだけじゃ、何も変わらないってこと。
「だからいつの間にかいっつもあなたは被害者。私は加害者。それが腹立つ!」という言葉、切なすぎる。
夫婦の会話って、時々“勝ち負け”みたいになってしまう。
でも本当はどちらも勝ってない。
岡田惠和さんの脚本が、そういう“感情の不公平”をきれいごとにせず書いてるのがすごい。
仲間由紀恵さんの迫真の演技、痛みが伝わる
仲間由紀恵さんの声の震え、怒鳴らないのに怒りが伝わるあのトーン。
涙じゃなくて、言葉で感情を放つ感じが圧倒的だった。
北村有起哉さんの“受けの演技”もリアルで、何も言わない沈黙がすごく効いてた。
見てるこっちまで「もうやめて」って言いたくなるほど。
でも、この不器用な夫婦のやり取りが、どこか希望にも見えた。
言葉をぶつけられるってことは、まだ関係を諦めてない証拠だから。
SNSでも「わかる」の嵐、共感が止まらない
放送後、SNSには「わかるー!」の声がずらり。
「被害者面されるのも腹立つ」「セリフがリアルすぎる」「あんの気持ちわかりすぎて泣いた」って投稿が次々と上がってた。
岡田惠和さんの脚本って、綺麗な愛じゃなく“生きてる愛”を描くのが上手い。
誰かが泣いて、誰かが謝って、でも結局どっちも救われない。
それでも、ちゃんと“会話をしている”という希望が残る。
第4話は、まさにそんな一話だった。
まとめ
第4話は、夫婦という名の「小さな戦場」を描いた回。
あん(仲間由紀恵さん)の怒りは、愛の裏返しで、渉(北村有起哉さん)の沈黙もまた優しさの形。
言葉が通じなくても、気持ちを投げ合うその姿に涙が出た。
日常の中にある「分かり合えなさ」をここまで丁寧に見せるドラマ、なかなかない。
静かで、痛くて、でもどこか温かい。
見終わった後、自分の大切な人に少しだけ優しくなれる気がした。
(みかんてぃ)

