第4話、静かな空気の中で言葉の温度差が刺さった。
小倉渉(北村有起哉さん)とあん(仲間由紀恵さん)が、家族という枠の中でどれだけ遠くなっているのかが見える回だった。
笑いもあるのに、心の奥がじんわり痛い。
「ホームコメディー」って言葉の下に、ちゃんと現実が息づいてた。
朝の気まずさから始まる、夫婦のズレ
ラジオ体操の当番を代わりに引き受けた渉(北村有起哉さん)。
その帰りにあん(仲間由紀恵さん)へ「離婚のことは分かってますよ」と、冗談みたいな本音を投げる。
朝ごはんの湯気がまだ残る中で、空気がピンと張る瞬間。
あんのイラっとした顔も、返す言葉の選び方も、全部リアルで胸が痛くなる。
娘のゆず(近藤華さん)が何も言わずにその空気を感じ取っているのが、いちばん切なかった。
虹がかかる屋上で、少しだけ心が緩む
あんが屋上で水やりをしていた時、ホースの水に小さな虹がかかる。
そこに集まるのは、奈央(小野花梨さん)と志保(石井杏奈さん)、そして渉(北村有起哉さん)。
太陽の光の下で、みんな一瞬だけ穏やかになる。
虹を見上げる4人の表情が、それぞれ違っていて、それでも同じ方向を見ている感じがやさしい。
“たそがれステイツ”の住人たちの空気感が、このドラマのいちばんの癒し。
渉とあん、車内でぶつかる本音
娘の前では冷静を装っても、二人きりになると抑えていたものが溢れる。
あん(仲間由紀恵さん)の「あなた、態度変わったよね」という指摘に、渉(北村有起哉さん)はうまく返せない。
狭い車内、沈黙とため息が重なる。
「わかり合うこと」と「言い合うこと」は違うのに、どちらも必要なんだと思わせる。
そんな時に鳴るさとこ(阿川佐和子さん)からの電話が、現実に引き戻す感じが絶妙だった。
親子の距離、ゆずと順の会話に救われる
ゆず(近藤華さん)が兄・順(小瀧望さん)に「離婚のこと、もう知ってる」って話すシーン。
そのまま伝えたい気持ちと、黙っている優しさの間で揺れる。
順の「お母さんが自分で言いたいんだと思う」という一言に、大人でも泣きそうになった。
この兄妹の静かな信頼関係が、家庭のバランスを支えてる気がする。
家族って、結局こういう“沈黙の理解”でつながってるんだなって思った。
さとこと慎一に訪れた悲しみ、そして希望
さとこ(阿川佐和子さん)と慎一(草刈正雄さん)の娘と旦那が事故で亡くなる。
あん(仲間由紀恵さん)がその知らせを奈央(小野花梨さん)と志保(石井杏奈さん)に伝えるシーンは、息をのむ静けさ。
それでも、みんなで準備する「おかえりパーティー」が温かくて泣けた。
笑顔の裏に涙がある、そんな人間らしい優しさで満ちてた。
慎一(草刈正雄さん)の「孫とどう接したらいいか分からない」っていう言葉が、深く刺さる。
誰もが“初めての家族”をやってるのかもしれない。
たそがれステイツという小さな奇跡
このマンションには、確かに奇跡がある。
誰かが落ちても、誰かがそっと支える。
それは派手じゃないけど、確実に温かい。
第4話は、涙が優しさに変わる時間だった。
SNSで「皆が優しくて涙が出た」って声が多かったのも納得。
“たそがれステイツ”の住人たちは、日常の中の奇跡を見せてくれた。
まとめ
第4話は、静かな生活の中にある「人の痛みとやさしさ」のバランスが絶妙だった。
渉(北村有起哉さん)とあん(仲間由紀恵さん)のすれ違いはまだ続くけど、虹のようにかすかな希望も見えた。
さとこ(阿川佐和子さん)や慎一(草刈正雄さん)の悲しみを、みんなで受け止める姿に涙。
小さな優しさが積み重なって、心に残る1時間だった。
(ゆめのん)

