最終話、全体の空気がやさしくて静かで、気づいたら心がほどけてた。
大きな奇跡が起きるわけじゃないのに、日常の延長線にちゃんと答えが置いてある感じ。
小倉渉(北村有起哉さん)とあん(仲間由紀恵さん)の関係がどう着地するのか、最後まで見守る気持ちだった。
クリスマスイブの寒さが、そのまま二人の距離を測る温度みたいに感じた。
街のクリスマスと、それぞれの想い
渉とあんが、それぞれ一人でクリスマスムードの街を歩く場面が印象的。
同じ夜なのに、考えていることは同じで、でも立っている場所は違う。
「たそがれステイツ」では永島慎一(草刈正雄さん)とさとこ(阿川佐和子さん)が飾りつけをしていて、子どもたちの笑顔が眩しい。
サンタを信じる空気が、この物語全体のやさしさを象徴してるみたいだった。
キッチンカー開店日に集まる人たち
奈央(小野花梨さん)と志保(石井杏奈さん)のキッチンカーがついにオープン。
準備してる二人の背中が、ちょっと緊張してて、でも前向き。
「新しい扉が開くんだね」って言葉が、この最終話のテーマみたいに響く。
渉や永島家、消防隊員の仲間たちが集まって、自然と輪が広がっていく感じが心地いい。
離婚しても消えなかった渉の気持ち
あんと久しぶりに会えて、素直に喜んでる渉がかわいかった。
一方で、「泊まりに行くのずるい」って拗ねるところは、相変わらず渉らしい。
離婚したから距離を取るべき、という正論に納得できない感情がリアル。
北村有起哉さんの演技が、未練とも愛情とも言い切れない揺れを丁寧に見せてた。
寒波がつないだ屋上の時間
クリスマスイブの朝、寒波が来る展開が一気に不安を連れてくる。
暖房がつかない部屋で途方に暮れるあんの姿が切ない。
夜、屋上で閉じ込められる二人は、寒さに耐えるために自然と抱き合う。
この状況が作為的じゃなく、生活の延長にあるのがこのドラマらしい。
寒さの中で話す言葉ほど、本音になるって感じがした。
「一緒に」じゃなく「近くで」生きる選択
渉が「離婚して他人になっても好きだ」と伝える場面は、押しつけがなくて静か。
一緒に暮らそうじゃなく、近くで生きたいって言葉がすごく現実的。
あんがそれに応える形で、同じマンションの別の部屋に引っ越すラストが優しい。
再婚しない結末なのに、孤独じゃない未来がちゃんと見えるのが新鮮だった。
まとめ
最終話は、熟年夫婦の新しい距離感を描いたラストだった。
渉(北村有起哉さん)とあん(仲間由紀恵さん)が選んだのは、依存でも断絶でもない関係。
近くにいて、見守って、必要なときに手を伸ばせる生き方。
派手さはないけど、長く続く安心感が残る終わり方だった。
(ゆめのん)

