第2話、笑ってるのに泣けた。
野木亜紀子脚本のテンポのよい会話と、大泉洋さんの間の取り方が絶妙すぎて、ギャグなのにじわっとくる。
そして、宮崎あおいさん演じる四季――彼女の明るさが、悲しみを隠すための光だったことがわかった瞬間、胸がギュッとなった。
“ちょっとだけエスパー”になった男と、記憶を失った女
文太(大泉洋さん)は、謎の会社「ノナマーレ」に採用され、飲まされたカプセルで“触れている間だけ心の声が聞こえる”エスパー能力を手に入れる。
だけど彼が聞きたいのは、世界の声じゃなくて、目の前の四季(宮崎あおいさん)の心の声。
「愛してる」と聞こえたときのあの表情、まるで子どもみたいに戸惑ってた。
でも、上司の兆(岡田将生さん)から言われた「人を愛してはならない」というルール。
それがある限り、文太は一歩踏み出せない。
“世界を救う”よりも、“ひとりの人を救う”ことのほうが、ずっと難しい。
筋トレする天使、四季ちゃんの「でんでんでんでん、だいでんきん」
四季(宮崎あおいさん)がソファで筋トレしながら「でんでんでんでん、だいでんきん」って唱えるシーン、反則級のかわいさだった。
彼女の無邪気さが、まるで子どものようで。
でも、それが“記憶の欠片”を埋めるための無意識な行動だと思うと、急に切なくなる。
夫だと思い込んでいる文太に、少しでも振り向いてほしくて頑張る姿が愛おしい。
視聴者が「こんなん好きになる」「好きになっちゃいけないの一番難しいミッション」って言うの、全力で共感。
「思い込みでも幸せならいいんじゃん?」
終盤、四季の過去が明らかになる。
本当の夫は、事故で亡くなっていた――しかも、四季の目の前で。
心が壊れて、記憶が曖昧なまま、“夫”を失った世界で文太を夫だと思い込んで生きている。
桜介(ディーン・フジオカさん)の「思い込みでも幸せなら、いいんじゃん?」という言葉が優しすぎて泣けた。
幸せの定義なんて、誰にも決められない。
四季の笑顔が“現実逃避”であっても、それが彼女を生かしているなら、それでいい。
「世界を救う」より、「ひとりを救う」
円寂(高畑淳子さん)の言葉が、このドラマの本質を突いていた。
「世界なんてどうでもいい。見捨てられて生きてきた。でも、目の前の四季ちゃんを救うってことなら分かるじゃない?」
この一言が、文太の“ヒーローとしての原点”を照らしたように思う。
世界を救う使命の裏に、“ひとりの人を救う”という最も人間らしい願いがある。
四季を救うことが、もしかしたら世界を救うことと同じなのかもしれない。
まとめ
第2話は、笑いの中に深い哀しみが潜む傑作回だった。
文太(大泉洋さん)の不器用な優しさ、四季(宮崎あおいさん)の無邪気な痛み、そして野木亜紀子さんの脚本が織りなす“人間賛歌”。
「人を愛してはいけない」というルールの意味が、これからもっと重くなりそう。
でも、文太が“世界より四季”を選ぶ日が来る気がしてならない。
次回、彼が彼女の“心の声”にどう応えるのか、今から怖いほど楽しみだ。
(ゆめのん)

