コーチ 第3話 感想文(ネタバレがあります)― “尾行がダメ”から始まる再生のドラマ

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「見た目の圧」が仇になる瞬間

第3話を観てまず心に残ったのは、体格が大きいがゆえに目立ち、逆に“尾行”という繊細な任務でつまずいてしまう 関口メンディー 演じる西条猛樹の姿。彼は自信を失い、どう立ち直るのかという流れが、ただの捜査モノを超えた人間ドラマになっていました。

良かったこと

教え/導くというテーマの深まり

唐沢寿明 演じるコーチ役の向井光太郎が、西条に対して単なる技術指導以上のものを与えていました。例えば、「胸を張れ」「威圧感を武器に変えろ」という言葉の数々。尾行失敗→女性被害という挫折から、「自分の見られ方」を認め、使える力に変えていく西条の変化が丁寧に描かれていました。

地味な“尾行”という現場のリアリティ

窃盗常習犯・生方の監視という任務が、パトロールや張り込みほど派手ではないけれど、刑事ドラマの中でも「地味だが最も人間性が問われる現場」だという描写。防犯カメラの死角を把握して追う、失敗→再挑戦という流れが、リアルで引き込まれました。

気になった・もう少し欲しかった部分

西条の変化の過程が少し急ぎ足に感じる

尾行初日に見失って女性被害という流れから、「さあ立ち直れ」という展開が少々駆け足だった気もします。もっと「なぜ尾行が苦手か」「体格以外の心理的な壁」といった背景が掘れていれば、彼の成長がより深く響いたのではないでしょうか。

向井のコーチング哲学がもう少し見たかった

向井の「適材適所」「威圧感を活かせ」という言葉は印象的でしたが、その根底にある“なぜ彼がこの方法に至ったか”というバックボーンが、もう少し描かれていれば、向井自身のキャラももっと立ったように思います。

感想まとめ

第3話では、「見せる」ことと「見られる」こと、その狭間で揺れる西条の葛藤が強く響きました。彼が人から「デカい」「目立つ」と言われ続けた体格を、逆に尾行で“隠れる”ための武器に変えていく様が、意外と胸にくるものがありました。
捜査というフィールドの中で、「教える者」もまた「学ぶ者」であるという構図が鮮やかに浮かび上がった回だったと思います。

そしてこのドラマは、単なる“事件を解決する刑事モノ”ではなく、「人を育てる/自分を育て直す」というテーマを内包していることを改めて感じました。失敗を恐れること、向き合うこと、そして再び立ち上がること――。それらが尾行という“静かな戦場”で描かれていくのが、この回の魅力でした。

今後への期待と考察

次回以降、私が注目したいのは以下の点です。

– 西条が“尾行”以外の任務でどう変化していくか。体格を活かした捜査スタイルの開拓。
– 向井と西条の“呼吸”がますます合っていく過程。指示だけでなく、自発的な動きへ。
– 刑事課内部、特に相良孝文や益山瞳の動きが何を意味するのかという組織の波。

このドラマは、「器は大きくても心は小さかった」人が、「自分の器を知り、それを武器にする」姿を描いています。第3話はまさにその“気づき”の瞬間であり、今後どのように“器の活用”が拡大していくのか、楽しみです。
(あいちゃん)

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