『フェイクマミー』、全部終わったあとに残ったのは罪より人の温度だった(感想)(ネタバレがあります)

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最終回、展開は動いてるのに不思議とバタつかなくて、感情だけが静かに追いついてくる感じだった。
花村薫(波瑠さん)と日高茉海恵(川栄李奈さん)の関係が、契約とか嘘とか全部超えて、人としてどう向き合ったかに着地したのが印象的。
スリルで引っ張ってきた物語なのに、最後はやけにやさしい余韻。
誰が悪で誰が正義か、単純に割り切らせない終わり方が、このドラマらしかった。

全部を背負った薫の選択が空気を変えた

薫(波瑠さん)が「自分が脅してニセママになった」と自首した瞬間、世界の向きが変わる。
茉海恵(川栄李奈さん)は被害者として扱われ、RAINBOWLABへの視線も一気にやわらぐ。
自分だけが泥をかぶる決断、簡単にできることじゃない。
キャリアも評判も失うかもしれないのに、それでも選んだのが薫らしい。
この一手で、物語の軸が“犯罪”から“関係性”に切り替わった感じがした。

茉海恵が納得しないのも当然だった

全部を薫に押し付けて終わるなんて、茉海恵(川栄李奈さん)が受け入れられるわけない。
竜馬や智也たちも含めて、「ママ」として出会った人たちが動き出す流れが胸熱。
肩書きとか立場じゃなくて、一緒に過ごした時間が人を動かす。
柳和学園って場所が、いつの間にか共同体になってたのがわかる。
いろは(池村碧彩ちゃん)の復学が検討される展開も、ちゃんと希望として効いてた。

慎吾の転落と、初めて見えた素顔

最後まで追い詰めてきた慎吾(笠松将さん)、正直ずっと怖かった。
でも智也たちに阻まれて目的を果たせず、さらに会社の不正送金が明るみに出る。
社長解任っていう一気に足元崩れる展開、見てて息止まった。
「勝ち続けてきたじゃないか」って泣き崩れる姿、あそこで初めて人間に見えた。
悪役なのに、感情がちゃんと伝わってきてしまうのが笠松将さんの強さ。

さゆりと息子の時間が示した救い

妻のさゆり(田中みな実さん)に抱きしめられて、「もう戦わなくていい」って言われる慎吾。
あの一言で、ずっと張り詰めてた何かが落ちた感じがした。
ラストで息子と穏やかに過ごす姿、別人みたいに表情がやわらかい。
許されたわけじゃないけど、再スタートはできるんだって示し方が静か。
勧善懲悪にしないところ、かなり好み分かれそうだけど私はアリだった。

フェイクだったのに、残ったものは本物

“ニセママ”って設定はアウトすぎるのに、最後まで見たら不思議と人の話だった。
薫(波瑠さん)と茉海恵(川栄李奈さん)、正反対の人生を歩いてきたからこそ補い合えた。
嘘から始まった関係が、最後は信頼で終わるのが皮肉で綺麗。
ファミリークライムって言葉より、ファミリー再構築って印象が強い。

まとめ

最終回は、派手な逆転よりも感情の着地を大事にしたラストだった。
花村薫(波瑠さん)の覚悟と、日高茉海恵(川栄李奈さん)の譲れなさが、ちゃんと並んで描かれてた。
慎吾(笠松将さん)まで含めて、全員が何かを失って、何かを手放した感じ。
スッキリしすぎないけど、後味はあたたかい。
嘘から始まった物語としては、かなり誠実な終わり方だったと思う。
(さくらん)