gift 第6話 最終話 感想文(ネタバレがあります)― “能力”と“責任”が交錯する、最後の選択の瞬間

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逃げ場なき瞬間に突入した戦い

第6話では、容体が悪化した由良(山中七)を抱えて、秋葉(和田琢磨)、夏目奏(染谷俊之)、佐久間(谷口賢志)が受恵教本部へと駆けつけるところから物語は佳境に入ります。
メグミ(横田龍儀)は、「gift」と呼ばれる能力を使うかどうか迷いながら、由良を見つめ続けます。一方、夏目卓(藤田玲)が警官を率いて突入。さらに、行方をくらました柚原(廣野凌大)が未尋(小西成弥)を拘束し、夏目奏を呼び出すという複数のピースが同時に動き出します。
“能力”=giftという存在が、救いの鍵にも、危険の扉にもなるという構図が鮮明になり、視聴者としては「ついに決断の時が来た」という緊張感が高まりました。

良かったこと

「ギフト=力」ではなく、「ギフト=選択」のテーマが際立った

メグミの迷いは、単なる能力行使の二択ではなく、「使うことによる代償」「見守ることによる責任」「誰を救う/誰を見捨てる」という選択そのものを描いていました。
由良を前にして、メグミがためらう姿には、能力者であることの重さが込められており、救う行為が必ずしも無条件の正解ではないというメッセージが胸に響きました。
さらに、秋葉・夏目・佐久間といった“普通の刑事”たちが、能力者との距離感や責任をどう捉えるかという対比も良かったです。

クロージングとしての解放感と連続性の両立

柚原/未尋あたりの背景がもう少し描かれていれば…

柚原の行動、未尋の拘束など、最終話の中で複数の伏線が動き出しており、視聴者としてはその展開にワクワクしましたが、一方で“なぜここまで柚原が動いたのか”“未尋の存在意義”など、背景説明がやや軽かった印象もあります。
最終話のテンポの中で整理しきれなかったキャラクターの動機がもう少し丁寧に描かれていたら、「なるほど」と納得できる深みも増していたと思います。

救う/救われるの構造がもう少し鮮明でも良かった

ギフトを使う・使わないという選択には大きな意味があることは伝わっていましたが、「使ったらどう変わるか」「使わなかったらどう変わるか」という“結果”が視聴者レベルで十分に体感できたかというと、少しだけ難しかったと感じます。
特に、由良の救命の成否や、メグミの決断後の変化など、「その日常がどう未来に繋がるか」にもう少し描写があれば、より感情的なカタルシスに至ったかもしれません。

感想まとめ

第6話は、ギフト=能力という枠を超えて、「何を救うのか」「誰を守るのか」「そして、自分はどう生きるのか」という問いに真正面から向き合った回でした。
能力者たちと捜査側の接点があらためて描かれ、また“舞台版へと続く”という演出が、この作品がただの完結ではなく「次へと続く物語」であることを示していました。
キャラクター一人ひとりが“選択”に迫られ、その結果がどう交錯するかを見届けることで、視聴者としても物語に参加したような感覚になりました。

今後への期待と考察

舞台へと繋がるラストが示していたように、今後は「能力の所在」「能力と社会」「能力を持つ者の存在意義」といったテーマがさらに深掘りされそうです。
特にメグミがどの道を選んだか、その選択が日常や人間関係にどう影響したか、そして秋葉・夏目たち捜査側が能力者とどう共存するのかが鍵になるでしょう。
私は個人的に、メグミの決断後に生まれる“普通”という選択肢と、“特別”という能力のぶつかり合いを見たいと思っています。
このドラマは、ただの能力バトルでもなく、ただの捜査サスペンスでもなく、「人間が能力を持ったときに何を失い、何を得るか」という普遍的な物語を描いていました。第6話は、その終わりであり、また新たな始まりでもある、非常に印象的な結末でした。
(あいちゃん)

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