重たい同窓会/母校訪問が生む新たな疑惑
第5話では、同級生を次々と襲う連続殺人事件のなか、生き残った3人――高木将(間宮祥太朗)、小山隆弘(森本慎太郎)、羽立太輔(森優作)が “次の標的は誰か/誰が味方か”という猜疑心を抱えながら、高木のガレージで作戦会議を行う場面から強く惹き込まれました。
また、23年前(22年前)の過去――彼らの小6当時に作ったタイムカプセル、卒アル、そして“夢の絵”が事件とリンクする構図も改めて鮮明になりました。
母校での校長・大谷典代(赤間麻里子)との面会、「みんな、自慢の生徒でしたよ」という言葉を鵜呑みにできない空気、卒アル不在という異常な事実。これらが“誰かの嘘/隠された記憶”を強く示していて、視聴者として背筋が凍る思いでした。
良かったこと
過去と現在を交差させる演出の鋭さ
校舎の廊下、昇降口、備品倉庫、階段――22年前のつらい出来事が園子(新木優子)の視点でフラッシュバックする演出がとても効果的でした。園子の「ここに来るといろいろ思い出します」という台詞が、ただのノスタルジーではなくトラウマを伴っていることを示していて、ドラマの“感情の深さ”を感じました。
また、校長室での“ある手がかり”の出現や卒アルの不在が、単なる謎ではなく“制度/記録/隠蔽”という重たいテーマを提示しており、ミステリーとしての厚みを増していました。
キャラクターの揺らぎと信頼の亀裂
高木たち3人が、昔の仲間=味方という前提を疑い始める瞬間が描かれていたのが良かったです。「猿橋以外にも、自分たちを恨む人間がいる」というセリフが象徴的で、友情・過去・記憶が揺らぐテーマを感じました。
特に、委員長・小林紗季(藤間爽子)が現れ、「私も知ってた」「復讐だと思わなかったの?」と問いかけるシーンでは、“見えている味方”が実は“見えていない敵”かもしれないという恐怖がリアルに響きました。
気になった・もう少し欲しかった部分
校長・大谷先生の動機と立ち位置がやや曖昧
校長・大谷典代が“知らなかった”と言いつつ、卒アル不在やタイムカプセル埋蔵記録など矛盾が提示されており、「彼女は嘘をついているのか、それとも脅されているのか」という疑問を視聴者に残しました。
ただ、現時点ではその動機や背景(なぜ協力している/なぜ隠している)が十分に描かれておらず、もう少し丁寧な描写があると、「なぜこの人物がキーになるのか」がより明確になったと思います。
展開のスピード感と感情の整理
過去の記憶フラッシュバック、母校訪問、卒アル発見、委員長の告白…と展開が多く、視聴者としては情報を追いかけるのが少し大変にも感じました。特に、園子のトラウマと高木の謝罪という感情の動きがもう少しゆっくり描かれていたら、その重さをより味わえたかもしれません。
感想まとめ
第5話は、「みんなの夢」というテーマが逆転してしまった回だったと感じます。タイムカプセルに埋めた“夢の絵”や卒業アルバムが、今や“消えた記録”となり、同級生の中に仕掛けられた“恨み”の構図が明らかになりつつあります。
生き残っている3人が、かつての“仲間”を疑い始め、「許し/謝罪/記憶」のどれを選ぶのか、その葛藤が胸に残りました。
「ごめんなさい」と高木が頭を下げ、園子が「今は…許せません」と突き放す場面。過去は変えられない。けれど、今その場でどう動くかが重要だというメッセージが強く響いています。
今後への期待と考察
今回、鍵を握る可能性が高いのは以下のポイントです:
– 卒業アルバムがない=誰かが記録を操作/隠蔽している。
– 7人目の同級生“博士”という存在、そして「ドの子/どの子」の別人説。
– 校長・大谷先生が協力者ではないかという疑念。
– 委員長・小林の“知っていた”という告白と、その背景。
視聴者としては、「真犯人=過去に“存在感を消された者”」という仮説が浮かびつつあります。次回以降、これまで「いじめ加害側」と見られてきた3人(高木・小山・羽立)が、本当に“味方”なのか否か、その逆転に注目です。
このドラマは、ただの“誰が殺したか”という謎よりも、「誰を許し、誰を疑い、記憶をどう扱うか」という人間ドラマの側面が深まってきています。第5話は、その転換点として非常に重要な回だったと感じました。
(あいちゃん)

