『ひと夏の共犯者』最終話、夏の終わりみたいな余韻が胸に残る(感想)(ネタバレがあります)

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最終話、見終わったあとしばらく画面を消せなかった。
岩井巧巳(橋本将生さん)と澪、そして眞希の時間が、最初から最後まで淡くて危うくて、触れたら消えそう。
恋とも共犯とも言い切れない関係が、静かに終わっていく感じがつらい。
派手じゃないのに、心の奥にずっと残るラストだった。

推しとの同居から始まった歪な関係

大学生の巧巳が、推しアイドルの片桐澪(恒松祐里さん)と同居する時点で、もう現実感が少しズレてる。
夢みたいな生活の中で、澪の中にもう一人の人格・眞希がいると気づく展開がじわじわ怖い。
それでも巧巳が距離を取らず、「共犯」を選ぶところがこの物語の核。
橋本将生さんの演技が、理性と感情の間で揺れる巧巳を自然に見せてた。

眞希と過ごした海の時間の切なさ

「生まれ育った町の海を見たい」という眞希の願いを叶えるために向かった思い出の場所。
青い海と、家族との過去が重なって、眞希が本当にうれしそうなのが苦しい。
巧巳と眞希の会話が穏やかで、これが永遠だったらいいのにって思ってしまう。
幸せそうな時間ほど、終わりが近いって分かってしまう空気が重い。

追いかけてきた塔堂(萩原聖人さん)の存在

海の景色の裏で、ずっと影を落としていたのが塔堂。
過去の未解決事件を背負った刑事としての後悔が、表情ににじんでる。
萩原聖人さんの静かな演技が、物語に現実の重さを戻してくる。
逃げ場のない状況が、巧巳と眞希の時間をさらに儚くしてた。

澪と眞希が向き合う瞬間

最終話で描かれる澪と眞希の対峙は、感情をぶつけ合うというより、存在を確認し合う感じ。
同じ体にいるのに、選ぶ未来は違う。
恒松祐里さんが演じ分ける空気の差がはっきりしてて、言葉以上に伝わる。
この選択に、もう後戻りはないって分かるのがつらい。

「さようなら」がすべてだった別れ

一夜を共に過ごしたあと、眠る巧巳に告げる眞希の「さようなら」。
説明も感傷もなく、ただ静かに警察に出頭する姿が胸に刺さる。
巧巳の前から、幻みたいに消えてしまう終わり方が残酷で優しい。
橋本将生さんの、取り残された表情が忘れられない。

残された巧巳と、その先の時間

巧巳が大学院で学ぼうとする理由が、眞希を理解しようとする気持ちだったのが切ない。
金魚を2匹飼っている描写も象徴的で、澪と眞希、どちらの存在も抱えたまま生きていく感じがする。
失ったけど、全部が消えたわけじゃない。
思い出と一緒に進む選択が、静かに描かれてた。

まとめ

最終話は、恋と罪と優しさが重なった物語の締めくくりだった。
岩井巧巳(橋本将生さん)と澪/眞希(恒松祐里さん)が作り出した空気が、とにかく儚い。
はっきりした救いはないけど、だからこそ余韻が深い。
特別編が控えているのも含めて、この物語はまだ心の中で続いてる気がする。
(りりたん)